ハピー・マディソン・プロダクションズは、長年アダム・サンドラーとその仲間たち(ロブ・シュナイダー、デヴィッド・スペード、ケヴィン・ジェームズら)による男性中心のコメディで知られてきた。しかし近年、サンドラーが自らの家族を起用するようになると、同社は突如として「ティーン女子の青春」を描く女性監督作品の拠点へと変貌を遂げた。
サンドラーの次女サニーは、中学校の卒業式パーティーをめぐる騒動を描いた『You Are So Not Invited To My Bat Mitzvah』(2023年)で注目を集め、今年後半には高校ミュージカルをテーマにした新作に出演する。そして長女のサディが主演・共同監督を務めるNetflixの新作コメディ『ルームメイツ』が、大学1年生の友情と葛藤をユーモアとリアルさで描いている。
二つの物語が織りなす複雑な関係性
『ルームメイツ』は、二つの物語が交錯する構成が特徴だ。冒頭、現代の大学生デュー(ストーム・リード)とセレステ(アイヴィ・ウォルク)が寮の前で大騒動を起こすシーンから物語は始まる。生理用品の話題で口論し、エアフライヤーを3階の窓から投げ捨てるなど、過激な「別れ」の場面が展開された後、学生生活担当の学部長(サラ・シャーマン)に呼び出される。学部長は、二人が似たような過去の「問題児」デューとセレステの物語を語り始める。
そこからフラッシュバックし、物語はデューの高校卒業直後から始まる。デューは優秀だが友達がおらず、大学生活でようやく輝けるチャンスが来ると信じていた。しかし、大学入学前のオリエンテーションで、彼女は「非日常体験」と称される騒動に巻き込まれる。そんな中、クールな性格のセレステ(クロエ・イースト)と出会い、次第に友情が芽生える。デューはセレステとの共同生活を決めるが、やがて小さな衝突(服の無断使用、深夜のヘッドフォン使用など)がエスカレートし、セレステがデューの家族に入り込んだり、デューのベッドで彼女の彼氏と関係を持ったりと、深刻な裏切りへと発展していく。
リアルな感情とユーモアのバランス
学部長の語り口は意図的に大げさだが、デューとセレステの関係性には、リアルな感情の機微が込められている。時にセレステはデューの境界線を越え、時に彼女を支える存在として描かれる。メイクのアドバイスをしたり、高校時代の友達の前でデューをカッコよく見せたり、誕生日の飾り付けを全力で手伝ったりと、彼女なりの方法でデューを支えていた。エンディングでは、チャーリー・XCXの「Girl, So Confusing」が流れ、二人の関係性の複雑さが象徴される。
「女の子にとって、時々混乱することもあるの。それが現実よ」
— チャーリー・XCX「Girl, So Confusing」より
『ルームメイツ』は、大学生の女性経験がこれまで映画で描かれる機会が少なかった分野であることを浮き彫りにしている。サディ・サンドラーとクロエ・イーストの演技は、二人の微妙な関係性をリアルに表現し、観客に強い共感を与えている。