米国最大手の映画館チェーンであるAMCシアターズは、新たなエンターテインメント体験として、ライブストリーミングによるインタラクティブコンサートの同時上映を全米の劇場で展開することを発表した。同社は2023年にテイラー・スウィフトの「Eras Tour」コンサート映画を自社配給し、世界興行収入2億6,160万ドルを記録するなど、劇場体験の可能性を広げてきた。

今回の提携により、AMCはArena Oneが独自に設計したステージから、リアルタイムで観客とアーティストをつなぐライブコンサートを上映する。Arena OneのCEO、ピーター・ハミルトン氏は「私たちは映画館に最適化されたステージを構築したが、アーティストがその可能性を定義する。彼らは既存のツアーを単に映すのではなく、新たな表現を生み出すのだ」と述べた。

6月からスターアーティストによる公演を順次開催

第1弾として、6月17日にBebe Rexha、6月18日にParis Hilton、6月20日にMaren Morrisの公演が開催される。さらに今後、追加アーティストの発表も予定されている。

AMCのアダム・アロンCEOは「これは画期的な発表だ。Arena One at AMCはライブエンターテインメントの新たな時代を開く可能性を秘めている。初日から全米300以上の劇場、89の市場で展開される」と語った。また「Arena One at AMCにより、音楽ファンは巨大スクリーン、迫力のサウンド、快適な座席といったAMCの魅力を享受しながら、同時に同じライブコンサートを体験できる」と強調した。

劇場体験の多様化が進む映画業界

今回の提携は、映画館が単なる映画上映の場にとどまらず、ライブ体験の拠点として進化する動きの一環だ。AMCは2023年にテイラー・スウィフトの「Eras Tour」を自社配給し、スタジオを介さない新たな興行モデルを確立。同作品は世界興行収入2億6,160万ドルを記録し、劇場コンテンツの多様化に大きな影響を与えた。

AMCによると、2026年の劇場興行収入はパンデミック後初めてとなる国内100億ドルを達成する見込みだ。同社は2026年第1四半期に1億1,700万ドルの損失を計上したが、前年同期の2億200万ドルから大幅に改善。ホリデー期のロングラン作「アバター:炎の国」や年初のヒット作「ホッパーズ」「スクリーム7」「プロジェクト・ヘイル・メアリー」などが収益を押し上げ、前年同期比21%増の10億4,000万ドルを記録した。

今後の展望と可能性

Arena One at AMCの取り組みは、劇場がライブ体験の新たなプラットフォームとなる可能性を示している。観客は巨大スクリーンと高品質なサウンドシステムを活かした没入型のライブ体験を楽しむことができ、アーティストにとっても新たな表現の場として活用されることが期待される。

出典: The Wrap