Appleは2024年6月に開催されたWWDC(Worldwide Developers Conference)で、AI関連の発表がなかったことで大きな注目を集めた。しかし、わずか10か月後の2025年4月、同社はハードウェア部門の責任者であるジョン・テルナス氏が、長年にわたりCEOを務めてきたティム・クック氏の後任として新CEOに就任することを発表した。驚くべきことに、公式発表文には「AI」という言葉が一度も登場しない。

テルナス氏は現在、Appleのハードウェアエンジニアリング担当上級副社長を務めており、9月1日からCEOに就任する。クック氏の15年にわたるCEO在任期間に終止符を打つ形となる。テルナス氏はAppleに25年以上在籍するベテランであり、過去30年間で初めてハードウェア部門出身のCEOとなる。Appleによると、テルナス氏はiPad全モデルから最新のMacシリーズまで、主要なハードウェア製品の開発を主導してきた実績を持つ。

同社の発表によれば、テルナス氏は「革新的なハードウェアとソフトウェアの融合」を重視しており、今後のリーダーシップのもとで、Appleがどのような戦略を展開するのかが注目される。特に、AI分野における同社の遅れを挽回するための具体的な施策が求められている。

テルナス新CEOの課題とは

  • AI戦略の再構築:WWDCでのAI発表不在が象徴するように、AppleはAI分野で後れを取っているとの指摘が多い。テルナス氏はハードウェアの専門家であるため、ソフトウェアやAI分野での戦略的転換が必要となる。
  • イノベーションの加速:クック時代にはハードウェアの進化が中心であったが、テルナス氏はソフトウェアとの融合を強化し、新たなイノベーションを生み出すことが期待される。
  • 競合他社との競争激化:Google、Microsoft、Metaなどのテック大手がAI分野で先行する中、Appleがどのように巻き返しを図るのかが問われる。

テルナス氏のCEO就任は、Appleにとってハードウェア主導からソフトウェア・AI主導への転換を象徴する出来事となる可能性がある。今後の同社の動向に注目が集まる。

出典: The Verge