米カリフォルニア州の連邦地方裁判所で行われているエロン・マスクによる提訴裁判において、OpenAIのCEOサム・アルトマンが6月10日、証言を開始した。
アルトマンとOpenAIの社長グレッグ・ブロックマンは、マスクが起こしたこの裁判の主な被告人とされている。3人はかつてOpenAIの創設メンバーであり、マスクはChatGPTを開発する同社の初期段階で最大3800万ドルを投資していた。しかし、その後マスクと他の創設メンバーとの関係が悪化し、マスクは同社を離れ、独自のAI企業xAIを設立するに至った。
近年、マスクとアルトマンは互いに非難を交わし、数々の主張を展開してきた。この裁判は、OpenAIの非営利団体としての設立目的や、マスクが主張する「利益相反行為」などを巡る法廷闘争となっている。
裁判の経緯
2015年に設立されたOpenAIは、当初は非営利団体としてAI技術の研究開発を進めていた。しかし、2019年に「キャップド・プロフィット」と呼ばれる有限利益団体モデルへの移行を発表。これにより、投資家向けの株式発行が可能となり、資金調達が加速した。マスクはこの移行に反対し、自身の関与を縮小したとされる。
マスクはその後、2023年にxAIを設立し、AI分野での競争が激化。これに伴い、OpenAIの商業化や利益追求の方針に対する批判を強めていった。今回の裁判は、こうした経緯を背景に、マスクがOpenAIとその幹部を提訴したものだ。
今後の展望
アルトマンの証言は、裁判の行方を左右する重要な局面となる見込み。今後もOpenAI側の経営陣や関係者の証言が続き、AI業界の今後の在り方にも影響を与える可能性がある。