米国のAI企業アンソリック(Anthropic)が、AI学習用に大量の書籍を無断で使用したとして提案された15億ドル規模の著作権和解案について、反対派の作家や団体が報酬の不公平さを主張。米連邦地裁の裁判官が承認を保留し、審議が難航している。
米国時間10月10日、カリフォルニア州北部地区連邦地裁のアラセリ・マルティネス=オルギン裁判官は、この和解案の最終承認を拒否した。同和解案は米国史上最大規模の著作権和解とされていたが、裁判官は反対派の主張を精査する必要があると判断。特に、弁護士報酬が高額すぎることや、被害者への支払いが「わずかな額」に過ぎないとの批判を取り上げた。
反対派の主張:報酬の不公平と手続きの不透明さ
反対派の作家や団体は、以下の点を問題視している。
- 弁護士報酬の高額さ:和解金の大半が弁護士費用に充てられ、被害者への分配額が不十分との指摘。
- 支払額の不公平さ:「わずかな額」と表現される被害者への補償額に対する不満。
- 意見聴取の不足:反対派の声を十分に反映していない手続きの不透明さ。
アンソリックの法務チームは、反対派を排除する意図はないと主張しているが、複数の反対文書では、法廷が反対派の意見を十分に考慮していないとの懸念が示されている。
今後の展開と影響
裁判官は、反対派の作家に対し、自身の主張を文書で提出するよう求めた。これにより、和解案の見直しや再交渉が行われる可能性がある。また、AI企業による著作権侵害を巡る訴訟は今後も増加すると見られ、業界全体に与える影響が注目される。
出典:
Ars Technica