ラスベガスで開催されたシネマコンの初日、ジャック・ブラックはステージに登場し、観客から大きな拍手を浴びた。同イベントは劇場経営者が集まる年次総会で、ブラックは「ジュマンギ」シリーズ第3作のプロモーションを担当していた。共演者のドウェイン・ジョンソンやケビン・ハートとの掛け合いも観客を沸かせたが、誰もがブラックがこのイベントの目玉になるとは思っていなかった。
翌日には、2025年のヒット作「マイクラムービー」で披露した「スティーブの溶岩チキン」のパロディを披露。 Warner Bros.のラインナップを祝った。さらにその翌日もステージに登場し、ユニバーサル・ピクチャーズのパネルで「スーパーマリオ」シリーズ第2作の成功を受け、同作で声優を務めるクッパの紹介を行った。ステージを降りようとした際には、イルミネーションのCEOクリス・メレダンドリが「本物の映画スターだ」と絶賛し、劇場に観客を呼び戻す功績を称えた。
身長168cmの小柄な中年男性で、豊かな顎鬚と太い眉毛、そして常に浮かべる笑顔。そんな外見からは想像しがたいが、ブラックの出演作は合計で110億ドル以上の興行収入を記録している。しかも、そのうち5作品はそれぞれ8億ドル以上の大ヒットを記録しているという事実がある。
なぜジャック・ブラックは成功を収められたのか?
ハリウッド関係者によると、ブラックは幅広い層に支持される一方で、常にエッジの効いたキャラクターを保ち続けている点が成功の鍵だという。さらに、そのマーケティング力も見逃せない。コムスコアの市場動向責任者ポール・デルガラベディアンは「ジャック・ブラックは四象限(全年齢層)をカバーするスターだ」と語る。
ブラックのキャリアを支えた代表作
ブラックが本格的に注目を集め始めたのは、2003年の「スクール・オブ・ロック」だ。リチャード・リンクラー監督によるこの作品で、彼は個性的な音楽教師を演じ、生徒たちとロックバンドを結成するという役柄で観客を魅了した。
2000年代半ばには、ピーター・ジャクソン監督の「キング・コング」リメイクで悪役を演じ、世界興行収入5億5600万ドルを記録。続く2006年の「ナチョ・リブレ」では9900万ドルの興行収入を上げ、カルト的な人気を獲得した。
しかし、ブラックのブレイクスルーは2008年の「カンフーパンダ」だった。同作で声優としての才能を発揮し、ドリームワークスのフランチャイズとして成功を収めた。4作品で世界興行収入20億ドル以上を記録している。
その後も、2017年の「ジュマンギ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」と2019年の「ジュマンギ/ネクスト・レベル」でドウェイン・ジョンソン、ケビン・ハート、カレン・ギランと共演し、2作品で合わせて17億5000万ドルの興行収入を記録。これにより、ブラックはポストパンデミック時代のブロックバスターの顔の一人となった。
「トップガン:マーヴェリック」が劇場を救ったと言われるが...
トム・クルーズ主演の「トップガン:マーヴェリック」が劇場を救ったと言われる一方で、ブラックも「スーパーマリオ」シリーズでクッパ役を務めるなど、劇場復活の立役者の一人と言える。その独特の魅力と戦略的なマーケティングが、今やジャック・ブラックという存在をハリウッドの象徴的スターへと押し上げたのだ。