米国第7位の規模を持つ格安航空会社、スピリット航空(Spirit Airlines)が経営破綻の瀬戸際に立たされている。同社は2019年以降、一度も黒字を計上しておらず、過去2年以内に2度の破産申請を行うなど、長年にわたり財務状況が悪化していた。

同社の経営陣はこれまで、2027年までに破産手続きを完了し、黒字化を達成できるとの見通しを示していた。しかし、その計画に暗雲が立ち込めている。イラン情勢の緊迫化に伴う燃料費の高騰により、同社は想定外のコスト増加に直面。4月20日、連邦政府に対し連邦救済(federal bailout)の要請に踏み切った。

同社の突然の動きは、業界関係者に衝撃を与えている。スピリット航空は、これまで「低価格」を売りに、米国の主要都市間を結ぶ路線で存在感を示してきた。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックや燃料費の高騰、そして激しい競争環境が重なり、経営基盤が揺らいでいる。

破産の経緯と現状

  • 2022年6月:初めての破産申請(Chapter 11)を発表
  • 2023年12月:2度目の破産申請を発表
  • 2024年4月20日:連邦政府に救済要請

同社の破産申請は、いずれも「再建型破産」として処理されてきたが、再建計画の進展は遅れていた。特に、燃料費の高騰は同社のキャッシュフローに深刻な打撃を与え、自力での再建が困難な状況に追い込まれた。

今後の展望と業界への影響

連邦救済の要請が承認されれば、同社は一時的な資金繰りの安定を得られる可能性がある。しかし、同社の経営再建が成功するかどうかは不透明だ。業界アナリストは、同社が他社との合併や買収、あるいは完全な事業売却に追い込まれる可能性も指摘している。

一方で、スピリット航空の顧客や従業員への影響も懸念される。同社はこれまで、低価格路線を中心に多くの利用者を獲得してきたが、破綻が現実となれば、路線の廃止やサービスの縮小が避けられない。従業員のレイオフ(解雇)や給与カットのリスクも高まっている。

今後、連邦政府の判断が注目されるが、同社の存続を巡る議論は、米国の航空業界全体に波及する可能性がある。

出典: The Verge