英国で、ラムボルギーニの伝説的なトラクターがオークションに出品される。その名は「セントゥラリア・トラクター」。1960年代に製造されたDLA35型トラクターをベースに、イタリアのデザイナーAdler Capelli氏が手掛けた稀少車だ。
このトラクターは、ラムボルギーニ創業者フェルッチオ・ラムボルギーニの100周年を記念して2016年に製作された5台のうちの1台。農業機械とスーパーカーの融合という、これまでにない斬新なコンセプトで注目を集めている。
伝統と革新の融合:36馬力のパフォーマンス
エンジンは1960年代のDLA35型トラクター由来の2.2リットル直列3気筒ディーゼルエンジンで、出力はわずか36馬力(36.5PS)。手動トランスミッションと組み合わせられているが、パフォーマンスは重視されていない。むしろ、その存在自体が芸術作品なのだ。
トラクターは、ホットロッドのような低く構えたボディに改造され、運転席は巨大な後輪の間に配置されている。手作業で成形された金属パネルは塗装されず、経年変化で味わいを醸し出す。随所に隠されたラムボルギーニのエンブレムも、コレクター垂涎のポイントだ。
実用性よりも芸術性:500km走行の稀少車
このトラクターは完全に機能するが、実際の農作業に使用されることは想定されていない。2020年の完成以来、走行跤はわずか500km。実用性よりも美的価値が重視された、まさに「動くアート」と言える存在だ。
新車当時、5台のセントゥラリア・トラクターはそれぞれ約175万ユーロ(当時の為替レートで約2億円)で販売された。一般的なスーパーカーと同等の価格帯ながら、出力は市販車以下というアンバランスさが、その希少性と職人技を象徴している。
英国でオークションに:ラムボルギーニの原点に迫る1台
現在、この稀少なセントゥラリア・トラクターの1台が英国でオークションにかけられている。ラムボルギーニの農業機械としてのルーツと、スーパーカーとしての華やかさを併せ持つこの車両は、まさに「唯一無二の逸品」だ。
落札には、現在米国で60万ドル(約9000万円)とされる「レヴエルト」の価格をはるかに上回る資金が必要となるだろう。オークションの詳細はリンク先で確認できるが、その価値は計り知れない。