Netflixで配信中の新作アニメーション映画「スワップ」が、公開から7日間で3870万回の再生を記録し、英語圏の映画ランキングで1位を獲得した。この記録は、Netflix史上最も視聴されたアニメーション映画の週間再生数を更新する快挙となった。

同作は、ディズニーの名作「塔の上のラプンツェル」の監督として知られるネイサン・グレノが手掛けた作品で、直近のヒット作「レオ」や「KPopデモンハンターズ」を上回る人気を集めている。

「共感」をテーマにした6年の旅路

「スワップ」は、小さなネズミのような生き物「プーキー」のオリーと、鳥のような外見を持つ「ジャヴァン」のイビーが、魔法の花の力で体を入れ替えるというファンタジー冒険ストーリーだ。当初はスーパーパワーを持つ4人のティーンエイジャーを主人公とした異なる構想だったが、グレノ監督は「共感」を軸に物語を再構築した。

監督は米誌TheWrapのインタビューで、6年にわたる制作過程について「当時の社会状況を反映させたかった」と語り、エンターテイメント性とメッセージ性の両立を目指したと語った。

「エンターテイメントとして楽しんでもらう一方で、世界に良い影響を与えるメッセージを込めたかった。6年経った今でも、この映画が必要とされていると感じています」
(ネイサン・グレノ監督)

プロデューサーのメアリー・エレン・バウダー・アンドリュースも「観客に教訓を押し付けるのではなく、楽しみながら自然に共感できる物語を目指した」と説明した。

構想変更の裏側にあった「靴を履く」発想

当初はスーパーパワーを持つ4人の若者が主人公だった「スワップ」だが、制作チームが「共感」について調査を進める中で、他者の立場を理解することの重要性に着目。グレノ監督は「バブルから抜け出し、視点を広げる」というコンセプトを取り入れ、物語の方向性を一新した。

グレノ監督はある日、Skydance AnimationのCEOジョン・ラセターに直談判。「今の方向性では違う」と伝え、新たなコンセプトを提案した。

「監督室に入って、『この映画は間違っていると思う』と伝えたんです。『靴を履く』という発想で、体を入れ替える物語にしませんか?」
(ネイサン・グレノ監督)

ラセターCEOはその提案を受け入れ、現在の「スワップ」の基盤が形作られた。監督は「カメラを通して、相手の視点を体験する」という新しいアプローチで、観客に共感の大切さを伝える物語を完成させた。

出典: The Wrap