AI研究企業のOpenAIは、マイクロソフトとの契約を再交渉し、AIモデルを任意のクラウドプラットフォームで販売できるようになった。これにより、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloudを含む複数のクラウド事業者を通じたサービス提供が可能となり、企業向けAI市場への展開が加速する見通しだ。
契約改定のポイント
改定された契約では、以下の主要な変更点が含まれる。
- クラウドの制限撤廃:OpenAIはこれまでマイクロソフトのAzure専用だったが、今後はAWS、Google Cloudなど他のクラウドでもAIモデルを提供可能に。
- AGI条項の廃止:人工汎用知能(AGI)の達成を契機とした契約条件の変更が廃止され、Microsoftの知的財産権がAGIに依存しなくなった。
- 収益分配の見直し:MicrosoftはOpenAIの収益から20%を受け取る権利を維持するが、上限が設定される。また、Azure経由での収益分配は廃止された。
- 知的財産権の非独占化:MicrosoftはOpenAIの研究を除く知的財産権を2032年まで非独占的に保有。OpenAIは他社との提携も可能に。
Amazonとの提携強化
Amazonは、OpenAIのモデルをAWS Bedrockを通じて顧客に提供する計画を発表。Amazon CEOのAndy Jassy氏はX(旧Twitter)で「今後数週間以内にBedrockを通じてOpenAIのモデルを顧客に提供する」と述べ、詳細については火曜日に開催されるAWS主催のイベントで発表される予定だ。
これまで両社は新たなAIシステムの構築について議論していたが、当時はOpenAIがマイクロソフトと独占契約を結んでいたため、具体的な進展は見られなかった。
業界への影響
AI業界の競争はますます激化しており、OpenAIは企業向け収益の確保に注力している。顧客が既に利用しているクラウドプラットフォームを通じてサービスを提供できるようになることで、ビジネスチャンスが広がる。
また、今年後半に予定されているOpenAIのIPOに向けて、投資家の懸念を和らげる効果も期待される。Microsoftの知的財産権が非独占化されたことで、OpenAIは他の企業との提携も容易になった。
今後の展望
Google Cloudも改定された契約条件を精査しており、今後OpenAIとの提携拡大の可能性が取り沙汰されている。業界アナリストは、この契約改定がAIプラットフォームの競争をさらに加速させ、顧客にとってより多様な選択肢が生まれるだろうと指摘している。