米国時間7月12日、テスラCEOのイーロン・マスクは、自身とオープンAI共同創業者で現在CEOのサム・アルトマンとの法廷闘争において、陪審員に向けて「人類の未来を救うことこそが私の唯一の目的だ」と主張した。
この高裁での争いは、オープンAIの使命や方向性を巡る両者の対立が背景にある。マスクは法廷で自身の半生を振り返り、南アフリカ・プレトリア生まれで、カナダのクイーンズ大学に留学した際には「2,500ドルのトラベラーズチェックと服、本を入れたバッグを持って渡った」と語った。その後、Zip2、PayPal、テスラ、スペースXなど、現在の事業の礎となった企業群の創業に至るまでの遍歴を詳細に説明した。
なぜマスクはこれほどまでに自身の原点に遡って証言したのか。その背景には、オープンAIの将来的な方針に対する強い懸念があったとされる。マスクは、同社が非営利から営利へと転換した経緯や、現在のAI開発の在り方に疑問を呈し、自身がいかに「人類の利益のために」行動してきたかを強調した。
また、マスクは「私は単なる起業家ではなく、人類の未来に責任を持つ存在だ」と述べ、自身の行動が常に「人類の救済」という大義に基づいていると主張した。この発言は、自身の富や影響力を背景に、より大きな使命感を持って行動しているという印象を陪審員に与える狙いがあったとみられる。
今後、この裁判では両者の主張がさらに対立し、オープンAIの今後の方向性が注目されることになる。マスクの証言は、単なる個人間の争いを超え、AI倫理や企業の社会的責任といったより広範な議論へと発展する可能性もある。
出典:
The Verge