「オーパス:プリズムピーク」は、シグノの「オーパス」シリーズらしい、人生の本質や人間関係、存在の意味を問う思索的なゲームだ。ゆったりとしたペースでプレイヤーに発見と絆を求める本作だが、時間をかけることで得られる達成感は大きい。

物語は、幼少期のユージンと祖父の写真家との思い出から始まる。祖父は山のふもとの家でユージンを育て、写真の技術を教えた。しかし、ユージンは写真家としての夢を追うも、会社の倒産や友人とのカフェ経営の失敗、妻との別離、そして祖父の行方不明と、次々と挫折を経験する。現在は祖父から受け継いだカメラを売り、行方不明の祖父の葬儀に向かう途中、トンネルでの事故をきっかけに、不思議な超常現象に巻き込まれる。

トンネルを抜けた先は、ユージンの幼少期の記憶に似た場所だった。しかしそこには人影はなく、唯一出会ったのは記憶喪失の少女レンだ。二人は「シェード」と呼ばれる謎の存在に襲われ、動物の霊たちと協力しながら冒険を進める。ユージンが持ち込んだカメラは、この世界で再び現れ、写真を撮ることで失われた記憶を呼び覚まし、周囲の謎を解き明かす鍵となる。

ゲームシステムとプレイ体験

「オーパス:プリズムピーク」のゲームプレイは、ポイント・アンド・クリックのアドベンチャーと写真シミュレーションが融合した独特のものだ。ユージンの視点でフィールドを探索する一人称視点と、彼がレンや霊たちと交流する三人称のカットシーンが交互に展開される。プレイヤーはレンの視線や興味の対象に注目し、アイコンで示される注目ポイントを調査することで、物語の手がかりを見つけることができる。

その雰囲気は「ウォーキングシミュレーター」に近いとも言えるが、本作は写真を通じた記憶の再構築という独自の要素で差別化されている。特に、Nintendo Switch 2版でプレイする際は、画面の大きさが手がかりを見逃しにくく、パフォーマンスも安定するためおすすめだ。

「千と千尋の神隠し」との共通点

「オーパス:プリズムピーク」は、幼少期の記憶が残る不思議な世界に迷い込むという点で、スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」との類似性が指摘できる。トンネルを抜けた先で出会う不思議な環境や、動物霊との交流など、共通する雰囲気が感じられる作品だ。

まとめ:時間をかける価値のある作品

「オーパス:プリズムピーク」は、ゆったりとしたペースでプレイヤーに思索と発見を促す作品だ。写真を通じて記憶を紡ぐ独特のシステムは、ユージンの人生と向き合う旅をより深いものにする。時間をかけてじっくりとプレイすることで、その魅力を最大限に引き出せるだろう。

出典: Siliconera