AIサイバー脅威の拡大に警鐘を鳴らすシューマー議員
民主党の上院議員団トップであるチャック・シューマー上院議員(ニューヨーク州選出)は5月17日、DHS(国土安全保障省)のマークウェイン・マリン長官宛てに書簡を送付し、AIを活用したサイバー攻撃の脅威に対抗するため、州・地方政府との連携強化を求めた。
AI技術の進展がもたらす新たなリスク
シューマー議員は書簡で、AI技術の急速な進化により、サイバー攻撃の手法が高度化していると指摘。「サイバー防衛側とAIを活用したハッキングのレースが繰り広げられているが、時間的猶予はない」と述べた。
特に、州・地方・部族・準州政府(SLTT)がAI技術の進展に取り残される可能性を懸念し、DHSが迅速に対応計画を策定する必要性を強調した。
DHSの対応力に懸念を表明
シューマー議員は、DHSのサイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)がAI対応で州・地方政府との連携を主導すべきだと主張。しかし、連邦政府による資金削減やCISA長官の不在といった課題を指摘し、対応力に懸念を示した。
特に、「マルチステート情報共有・分析センター(MS-ISAC)」への資金削減と、第2次トランプ政権下でCISA長官が指名されていない状況が、連携体制の弱体化につながる可能性があると述べた。
7月1日までに具体的な計画策定を要請
シューマー議員は、DHSに対し、7月1日までに以下の点を含む具体的な対応計画を策定するよう要請した。
- AI分野の優秀な人材の確保方法
- 迅速なパッチ適用の実施
- リスク評価の実施
「命と生活を守るための迅速な対応を」
シューマー議員は、
「AIはサイバー戦場を急速に変化させている。ハッカーに先んじることができなければ、病院、電力網、水道システム、学校、選挙、緊急サービスが脆弱なまま放置されることになる」と述べ、DHSが州・地方政府を支援し、脆弱性を特定・修正することの重要性を強調した。
CISAのAI活用に関する現状
一方で、CISAは内部対策としてAIを活用していることが明らかになっている。同庁の関係者によると、AIを用いた脅威検知や対応の効率化を図っているという。
シューマー議員の書簡は、AI技術の進展がもたらす新たなサイバー脅威に対する、米国の官民連携の強化を求めるものとなった。