バットマンの影の支配者、バインの誕生

映画「ダークナイトライジング」でバインは「影で生まれた」と語るが、これは事実ではない。バインは1993年に発売されたコミック「バットマン:ヴェンジェンス・オブ・バイン#1」で生まれたキャラクターだ。作者はチャック・ディクソンとグラハム・ノーラン。ラテンアメリカの架空の島、サンタ・プリスカ出身の革命家として描かれたバインは、戦術の天才であり、ルチャドールのマスクを被り、筋力増強薬「ヴェノム」を使用していた。

トム・ハーディが変えたバインのイメージ

映画「ダークナイトライジング」では、バインのキャラクターが大きく変わった。イギリスの素手ボクサー、バートリー・ゴーマンにインスパイアされたトム・ハーディの演技により、バインは独特の存在感を放った。この解釈は「レゴ・バットマン・ムービー」や「ハーレイ・クイン」にも影響を与え、世界中で模倣された。ハーディの演技は非常に人気が高く、バインとデスストロークの新作映画が発表された今、多くの人がバインをどのように認識しているのかが注目されている。

コミック版バインの魅力

コミック版のバインは、深い穴の監獄で生まれ育った。その脱出への執念が、医師ゾンビ、筋肉男トロッグ、鷹使いバードといった仲間を生み出した。ヴェノムの実験により筋力を増強されたバインは、脱獄後、バットマンの破滅を企てた。まず、アーカム・アサイラムの囚人全員を解放し、バットマンの力を弱体化させた後、一騎打ちでバットマンを破り、その背骨を折った。この出来事は「ナイトフォール」と呼ばれる1993年から1994年にかけてのストーリーで描かれた。

「ナイトフォール」の影響

「ナイトフォール」は、スーパーマンの「デス・オブ・スーパーマン」やグリーンアローの死、グリーンランタンの腐敗、ワンダーウーマンの再創造といったDCコミックスの大きな変革の前兆となったストーリーだ。しかし、スーパーマンの宿敵ドゥームズデイとは異なり、バインはすぐに魅力的なキャラクターとして定着し、DCユニバースの常連となった。その後も「バットマン・ロビン」でのハルクのようなタフで洗練された運転手役を演じるなど、バットマンの宿敵の一人として活躍した。さらに、ゲイル・シモネの「シークレット・シックス」でアンチヒーローとしても活躍し、その存在感を示した。

映画版とコミック版の違い

映画「ダークナイトライジング」では、バインが穴の監獄で生まれたという設定が一部取り入れられているが、実際にはタルリア・アル・グール(ミランダ・テイト)のボディガードという設定に変更された。タルリアの父、ラーズ・アル・グールの命令でバットマンを倒すために送り込まれたバインは、タルリアの体を張った協力もあり、バットマンを追い詰めた。

バインの進化と今後

コミック版のバインはヴェノムの力で強化された戦術の天才だったが、映画版ではトム・ハーディの演技によって、より人間味のあるキャラクターとして描かれた。新作映画でバインとデスストロークが共演することで、彼らの魅力が再び注目を集めることは間違いない。今後、どのような物語が展開されるのか、ファンの期待は高まるばかりだ。