ラ・イカスタジオの手作りアニメーションが再び光る
AIやCG主流のアニメーション業界において、ラ・イカスタジオの作品は常に新鮮な存在感を放っている。同スタジオは、ニール・ゲイマンの「コラレン」の映画化で知られ、これまでに発表された全ての長編作品がアカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされるという驚異的な実績を誇る。その成功の裏には、職人技とも呼べる丁寧な手作りの精神がある。「コラレン」から「パラノーマル」」「ボックストロールズ」「クボと二本の弦」まで、全ての作品が愛情を込めた労作であることは一目瞭然だ。
「ワイルドウッド」予告編が公開、そのクオリティに驚嘆の声
ラ・イカスタジオは待望の新作「ワイルドウッド」の予告編をついに公開した。同作は、2011年に発売されたコリン・メロイ(バンド「ザ・ディセンバリスツ」のメンバー)による児童 fantasy小説を原作とし、メロイの妻であるカーソン・エリスが挿絵を手掛けた作品だ。同スタジオにとって6年ぶりとなるストップモーションアニメーション作品であり、そのクオリティの高さが早くも話題を呼んでいる。
物語は、強気な性格の7年生の主人公が、赤ん坊の弟をカラスの群れにさらわれ、オレゴン州ポートランド郊外に広がる不思議な森「インポッシブル・ワイルドネス」へと連れ去られたところから始まる。主人公のプルーは、クラスメイトの助けを借りながら、魔法の生き物や危険な盗賊、話す動物たちが住む世界を冒険し、弟を取り戻す旅に出る。その世界観は「ラビリンス」を彷彿とさせるが、それもまた意図的な演出だろう。
驚異のディテールと美しさ
予告編で披露されたアニメーションは、その美しさと緻密さで観客を魅了している。特に、太平洋岸北西部のムーディーな光と、森のファンタジー世界の鮮やかな色彩が見事に表現されている。登場する魔法の生き物や主要キャラクターは、一つ一つが丁寧に作り込まれており、そのクオリティの高さはラ・イカスタジオの真骨頂だ。予告編には「コラレンを手掛けた職人たちが再び贈る」というタグラインが添えられ、その自信のほどがうかがえる。
同スタジオは、映画に登場する巨大な鷲「ジェネラル」の制作過程を記録した短編映像も公開している。その制作には9,000枚もの手作りの羽根が使われたという事実に、そのこだわりの凄さが表れている。予告編の一瞬の映像に映る血の付いた拳のディテールの高さも、完成版への期待を高める要因の一つだ。
豪華声優陣が集結
「ワイルドウッド」は、トラヴィス・ナイトが監督を務め、脚本は「マスターズ・オブ・ザ・ユニバース」や「クボと二本の弦」で共同制作したクリス・バトラーが担当する。声優陣も豪華で、ケアリー・マリガン、ペイトン・エリザベス・リー、ジェイコブ・トレンブレイ、リチャード・E・グラント、アウクワフィナ、アムアンドラ・ステンバーグ、トム・ウェイツ、チャーリー・デイ、ブライス・ダナー、アーサー・ナイト、アンジェラ・バセット、マヘルスハラ・アリといったそうそうたる顔ぶれが名を連ねている。
2023年10月23日公開、待望の劇場デビュー
「ワイルドウッド」は、2023年10月23日にファゾム・エンターテインメント配給で劇場公開される。ラ・イカスタジオの手作りアニメーションの魅力が再び世界に届けられるこの機会を、ファンは今から待ち望んでいる。