ロバート・F・ケネディJr.米保健福祉長官が、かつての反ワクチン活動家としては驚くほど穏健な発言を続けている。栄養改善や慢性疾患対策、そして「Make America Healthy Again」と銘打った健康政策を前面に押し出すなど、表面的には政策転換の兆しが見られる。

先日の議会証言では、麻疹・おたふく風邪・風疹(MMR)ワクチンについて「大多数の人にとって安全で効果的」と認めるに至った。しかし、こうした反ワクチン発言の沈静化は、根本的な政策転換を示すものではない。

選挙戦略に基づく一時的な「休戦」

専門家らは、この沈黙を「嵐の目」に例える。公衆衛生上の戦略というよりも、選挙戦略に基づく政治的な一時休止に過ぎないというのだ。ケネディ長官の発言は、選挙を控えた時期に合わせて調整されたものであり、長期的なワクチン政策の転換を示すものではないとの見方が強い。

過去の発言との矛盾

ケネディ長官はこれまで、ワクチンの安全性に関して繰り返し懐疑的な立場を取ってきた。2016年には、MMRワクチンが自閉症の原因になるとする根拠のない主張を広め、多くの反ワクチン運動家をけん引してきた経緯がある。こうした過去の発言と現在の穏健な姿勢とのギャップが、専門家からは疑問視されている。

今後の展開に注目

選挙戦が終われば、ケネディ長官の発言が再び反ワクチン色を強める可能性も否定できない。公衆衛生政策の専門家らは、長官の発言の裏にある真の意図を注視している。

出典: STAT News