ワーナー・ブラザース(WB)は、75年以上にわたり「ルーニー・テューンズ」の名作を生み出してきたスタジオだ。しかし、同社のCEOデイビッド・ザスラフは、完成していた映画「Coyote vs. Acme」の劇場公開を取りやめ、税控除を優先するという驚きの判断を下した。だが、ファンの声と配給会社ケチャップ・エンターテインメントの尽力により、同作はついに日の目を見ることになった。

予告編に込められたワーナーへの痛烈な皮肉

初の予告編は、WBを「アクメ社」に例えた痛烈な皮肉で溢れている。監督はデイブ・グリーン、脚本はサミー・バーチ(ジェームズ・ガン、ジェレミー・スレイターと共同執筆)が務め、長年にわたりアクメ社の粗悪な製品に悩まされてきたワイリー・コヨーテが、弁護士のウィリアム・フォルテを雇い、同社を法廷で追及するというストーリーが展開される。

アクメ社の弁護士役にはジョン・シナ、同社のオーナーで「トーン・トレーダー」とされるフォグホーン・レグホーン役にはザック・ガリフィアナキスが起用されている。予告編の最後には、フォグホーン・レグホーンによる皮肉たっぷりのナレーションが流れる。「アクメ社はこの映画を会計処理のために公開します!」というセリフは、WBの税控除優先の判断を皮肉ったものと受け取れる。

反企業的なメッセージとクラシックな「ルーニー・テューンズ」要素

ウィリアム・フォルテ演じる弁護士は、まるで「スポットライト」チームの最も恥ずかしいメンバーのように振る舞いながら、こう叫ぶ。「企業は好き勝手に振る舞えると思っている。もう我慢できない!」と。一方、アクメ社の弁護士は、製品の欠陥を個人の責任に転嫁するというお決まりの手法を使う。

予告編には、ドラッグ姿のバッグス・バニーや、暴走するダフィー・ダック、そしてショットガンを手にしたトゥイーティーなど、クラシックな「ルーニー・テューンズ」の要素が満載だ。トゥイーティーのショットガンについては、その意図は不明だが、とにかく予告編全体が、ルーニー・テューンズのカオスと法廷コメディを融合させた、愉快な作品に仕上がっている。

「ルーニー・テューンズ」の映画化は難しい?

「ルーニー・テューンズ」のキャラクターたちは、チック・ジョーンズによるコヨーテとロードランナーの短編でその真価を発揮してきた。しかし、長編映画化となると、必ずしも成功するとは限らない。例えば、昨年ケチャップ・エンターテインメントがWBのカットから救出した「The Day the Earth Blew Up」は、興行収入が予算をわずかに上回る程度にとどまった。

そんな中、「Coyote vs. Acme」が、キャラクターへの好感度を活かしつつ、ルーニー・テューンズのカオスと法廷コメディを融合させることができれば、ケチャップ・エンターテインメントにとってのヒット作となるかもしれない。そして、WBの税控除戦略を笑いのネタにする、もう一つの理由を観客に与えることになるだろう。

「Coyote vs. Acme」は2026年8月28日に劇場公開予定。