米国上院は11日、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長にケビン・ウォッシュ氏を承認した。投票結果は54対45で、党派を超えた議員1人を除き、民主党議員は全員反対に回った。

民主党議員で唯一ウォッシュ氏に賛成票を投じたのは、ペンシルベニア州選出のジョン・フェッターマン議員だった。これにより、トランプ大統領はFRBの金融政策を完全に掌握することとなった。

ウォッシュ氏の経歴とトランプ大統領の意向

ウォッシュ氏は、金融業界出身の実業家で、FRB議長としては歴代最も裕福な人物となる。容姿端麗で富裕層というイメージは、トランプ大統領が求める「忠実な傀儡」像に合致していた。

しかし、ウォッシュ氏は先月の公聴会で「FRBの独立性を重視し、大統領からの要請に関わらず、金利政策を決定する」と発言していた。だが、これは事実と異なることが明らかになっている。

大統領の圧力とウォッシュ氏の発言

トランプ大統領は昨年12月、ウォッシュ氏との会談で「FRB議長に就任すれば、金利引き下げを支持するか」と尋ねていた。この事実が明るみに出たのは、ウォッシュ氏が公聴会で「報道機関の基準に問題がある」と発言した直後だった。

ウォッシュ氏は、大統領からの圧力に屈することなく独立性を保つと主張していたが、実際にはトランプ氏の意向に沿うことが期待されている。大統領は現在、FRBの金利引き下げを強く求めており、現議長ジェローム・パウエル氏がこれを拒否し続けていることから、たびたび批判を繰り返している。

FRBの独立性が揺らぐ

ウォッシュ氏の承認は、FRBの独立性が事実上崩壊したことを示す象徴的な出来事となった。トランプ大統領は、保守派の最高裁判事任命と同様に、自身の意向に忠実な人物をFRB議長に据えることで、金融政策のコントロールを強化しようとしている。

「FRBの独立性が失われれば、米国経済は不安定化するリスクがある。ウォッシュ氏の就任は、政治の金融政策への介入を象徴している。」
(経済専門家のコメント)