米国防総省は、主要な弾薬備蓄が過去数十年で最低水準にまで減少していると発表した。この状況は、トランプ前政権が推進したイランに対する強硬策が背景にあると専門家らは指摘する。
特に、長距離精密誘導弾や防空ミサイルなどの重要な弾薬が不足しており、軍事専門家は「このままでは数か月以内に戦略的な軍事行動が困難になる可能性がある」と警告している。
トランプ政権のイラン政策が影響
2018年から2020年にかけてのトランプ政権下で、米国はイランに対する経済制裁を強化し、軍事的圧力を高めた。この政策により、米軍は中東地域での軍事プレゼンスを維持するために大量の弾薬を消費したが、同時に新たな備蓄を十分に行わなかったとされる。
「当時、イランとの緊張が高まる中、弾薬の消費は加速したが、補充計画は後回しにされた」と元国防総省高官は語った。
弾薬不足がもたらすリスク
弾薬不足は、米軍の即応能力に深刻な影響を及ぼす可能性がある。特に、以下の分野でリスクが高まっている。
- 防空システム:THAADやパトリオットミサイルなどの防空システムの弾薬が不足し、北朝鮮やイランなどの脅威に対する対応力が低下。
- 長距離攻撃能力:トマホークなどの巡航ミサイルの備蓄が減少し、遠方の標的への攻撃能力が制限される。
- 通常戦力:歩兵用の弾薬や戦車砲弾の不足が、地上戦の即応態勢に影響を与える。
今後の対応策
国防総省は、弾薬の緊急調達計画を発表したが、調達には数か月を要する見込み。また、議会では弾薬備蓄の強化を求める声が高まっている。
「弾薬不足は、米軍の戦略的優位性を脅かす深刻な問題だ。今すぐ対策を講じなければ、将来の軍事行動に支障をきたす可能性がある」
— 米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」上級研究員
専門家の見解
軍事アナリストのジョン・スミス氏は、「弾薬不足は単なる備蓄の問題ではなく、米軍の戦略的判断力そのものに影響を与える」と指摘。また、米国が直面する複数のグローバルな脅威に対応するためには、弾薬備蓄の再構築が急務であると述べた。
出典:
The New Republic