議員がNavigate360に対し学生データ流出の説明を要求
米国の民主党議員マギー・ハッサン(Maggie Hassan、ニューハンプシャー州選出)と共和党議員ジム・バンクス(Jim Banks、インディアナ州選出)は、学校の安全通報ラインを運営する企業Navigate360に対し、ハッカーによる学生の機密情報流出事件について説明を求める書簡を送付した。
両議員は4月24日付の書簡で、Navigate360のP3 Global Intel通報ラインが先月ハッキングされた問題について「学生、教職員、学校に対する重大なリスク」と指摘。特に「高度に機微な個人情報が流出した可能性がある」と強調した。
「データが流出した内容、現在の対応状況、再発防止策について、公衆に明確な説明を求めます」
— ハッサン議員、バンクス議員
93GBのデータ流出を主張するハッカー
Navigate360によると、同社の製品は3万以上の学校と5,000の公的安全機関で利用されている。ハッカーらは同社から93GBのデータを奪取したと主張。その中に学生の個人情報が含まれていた可能性があると指摘されている。
ハッサン議員とバンクス議員は書簡で「同社は製品を『匿名通報ライン』と謳っているが、流出した情報には個人を特定できるデータが含まれていた」と述べ、学生の安全とプライバシーが脅かされていると警告した。
また「匿名性が保証されなければ、学生は安全上の懸念を報告しなくなる可能性がある」と指摘し、教育関係者からも同様の懸念が示されていると述べた。
CEOは当時「調査中」と発言
事件当時、Navigate360のCEOであるJP Guilbault氏は、ハッキングの有無や規模について調査中と述べたが、機密情報の流出については確認しなかった。同社は議員の書簡に対するコメントをまだ発表していない。
学校へのサイバー攻撃が急増
米国のK-12学校の82%が2023年7月から2024年12月にかけてサイバー攻撃を経験したと、サイバーセキュリティ研究機関「Center for Internet Security」の報告書が明らかにした。特にCOVID-19パンデミック以降、学校へのサイバー攻撃は拡大傾向にある。
多くの場合、ハッカーは学生情報を金銭目的(身代金要求など)で狙うが、Navigate360の事件ではハクティビズム(政治的主張を目的としたハッキング)が動機とみられている。
ハッカーらは「お前たちの仕事は犯罪を調査することだ。彼ら(当局)はお前たちを気にしていない。有罪判決と囚人を増やすことで、民営刑務所ビジネスを拡大するのが目的だ」と主張していた。
議員が提起した具体的な質問
ハッサン議員とバンクス議員はNavigate360に対し、以下の点について回答を求めた。
- サイバーセキュリティ対策の詳細
- 流出した具体的なデータの内容
- 通報ラインの匿名性が完全に保証されているか
- 被害を受けた学校地区への支援状況
議員らは今後、同社からの回答を待ってさらなる対応を検討するとしている。