量子コンピューティング株が再び上昇、主要4社が業績回復

2026年の年初は低迷していた米国の主要量子コンピューティング関連株が、再び急騰している。特に4月に開催された「ワールド・クオンタム・デー」を機に上昇基調が強まり、5月に入ってもその勢いは続いている。主要4社の株価は直近のプレマーケット取引で軒並み上昇し、その背景にはQ1決算シーズンにおける驚異的な業績回復があった。

主要4社の株価動向(直近1週間)

  • D-Wave Quantum Inc. (NYSE: QBTS):直近5取引日で約15%上昇、プレマーケットで7%超の急騰
  • IonQ, Inc. (NYSE: IONQ):直近5取引日で24%超上昇、プレマーケットで4.5%上昇
  • Quantum Computing Inc. (Nasdaq: QUBT):直近5取引日で7%超上昇、プレマーケットで24%の急騰
  • Rigetti Computing, Inc. (Nasdaq: RGTI):直近5取引日で16%上昇、プレマーケットで5%上昇

Q1決算で明らかになった驚異的な成長率

今回の株価上昇の最大の要因は、量子コンピューティング業界におけるQ1決算シーズンの到来だ。主要4社が相次いで2026年Q1の決算を発表し、その業績は市場の期待を大きく上回った。

各社の業績ハイライト

  • IonQ(5月6日発表)
    • 前年同期比で売上高が755%増加
  • Rigetti(5月11日発表)
    • 前年同期比で売上高が193%増加
  • Quantum Computing Inc.(5月11日発表)
    • 前年同期比で売上高が9,300%超増加
  • D-Wave(本日発表)
    • 売上高は前年同期比で81%減少したが、受注額(bookings)は1,994%増加の3,340万ドルを記録
    • 受注額は将来の契約を示す指標であり、ビジネス拡大の兆しを示す

今後の見通し:技術の実用化にはなお時間が

業績回復の兆しが見られる一方で、量子コンピューティング技術の実用化にはなお時間がかかるとの見方が強い。専門家の間では、量子コンピューティングが本格的に普及するのは数年後との見通しが示されている。また、地政学的リスクやAIバブルへの懸念、経済不安などの外部要因も依然として市場の不確実性を高めている。

「量子コンピューティングは未来のコンピューティング技術として期待されているが、その実用化にはまだ時間がかかる。現在の株価上昇は業績回復によるものだが、長期的な成長には技術の進歩と市場の受容が不可欠だ」
——業界アナリスト

投資家は慎重な見方を維持すべきか

主要4社の株価は直近の業績発表を受けて急騰したが、投資家は依然として慎重な見方を求められている。技術の実用化時期や市場の成熟度、競争環境の変化など、多くの不確実性が残されているためだ。一方で、受注額の大幅増加は、企業間の取引が活発化していることを示しており、長期的な成長に向けたポジティブなシグナルと捉えることもできる。