ムスク弁護団、OpenAIの不正行為を立証と主張
テスラCEOイーロン・ムスクの弁護団は、2024年1月にOpenAIとCEOサム・アルトマン、社長グレッグ・ブロックマンを提訴した。ムスクは、OpenAIが設立当初の非営利目的を逸脱し、寄付金を不正利用したと主張している。
寄付金の不正利用と倫理違反を指摘
ムスクの弁護団は2月20日の最終弁論で、OpenAIが設立理念である「安全で強力なAIの世界的な普及」を放棄し、経営陣が株式報酬や利益相反取引を通じて私的利益を追求したと主張した。弁護士スティーブン・モロは特にアルトマンの信頼性を問題視し、元幹部や元理事からの証言を引用してその不誠実さを指摘した。
「アルトマン氏の発言は、イリヤ・サツケバー、ミラ・ムラティ、ヘレン・トナー、タシャ・マッコーリーといった元関係者の証言によって完全に覆されている」
— スティーブン・モロ弁護士
OpenAI側の反論:組織改革と使命の維持
OpenAI側は、組織構造の変更はあったものの、設立目的は維持されていると主張する。今後、OpenAIとマイクロソフトの弁護団が反論を行う予定だ。また、ムスクは勝訴した場合の賠償金をOpenAIの非営利部門に寄付すると表明している。
巨額損害賠償と今後の展開
ムスクは、アルトマンのOpenAI理事会からの追放と数十億ドルに及ぶ損害賠償を求めている。裁判は2025年1月から始まり、ムスク、アルトマン、マイクロソフトCEOサティア・ナデラを含むAI業界の重鎮が証言台に立った。
裁判の特異性:評決は勧告に留まる
この裁判の特徴は、陪審員の評決が拘束力を持たず、裁判官がこれを覆す可能性がある点だ。また、OpenAIやマイクロソフトに不利な判決が下された場合、損害額の算定を行う別の審理が実施される。
背景:設立理念と現実の乖離
OpenAIは2015年に非営利団体として設立され、AI技術の安全な開発と公益目的の実現を掲げていた。しかし、2019年に営利子会社「OpenAI LP」を設立し、マイクロソフトからの巨額投資を受け入れた。ムスクは、この構造改革が設立理念からの逸脱につながったと主張している。
主な争点
- OpenAI設立時の非営利目的の遵守状況
- ムスクからの寄付金(1億ドル以上とされる)の使途
- アルトマンのリーダーシップと信頼性
- マイクロソフトの関与と責任