ドイツ出身の映画監督、ヴォルフガング・ペーターゼンは、そのキャリアを通じて数々の名作を世に送り出してきた。国際的な注目を集めた戦争映画『U・ボート』でデビューを飾り、その後も児童文学の名作を映画化した『ネバーエンディング・ストーリー』で子供たちを震撼させ、さらに『大統領の陰謀』、『アウトブレイク』、『エアフォース・ワン』、『トロイ』などで観客を魅了し続けた。

その一方で、『エネミー・マイ』のような興行的失敗作も手掛けたが、同作は後にカルト的な人気を博している。しかし、ペーターゼン監督の作品でこれほど語られることのない作品が、1990年代屈指の衝撃的な結末を持つサスペンス映画として再評価されるべき時が来た。『Shattered』だ。

忘れられた名作に隠された真実

1991年に公開された『Shattered』は、興行的には失敗に終わった。批評家からも高い評価を得られず、スター俳優が集う作品でもなかった。しかし、トム・ベレンジャー、ボブ・ホスキンス、グレタ・スカッキの3人が、ペーターゼン監督のセクシーなサスペンスに見事にフィットし、その存在感を際立たせていた。

物語の主人公は、裕福な実業家ダン・メリック(トム・ベレンジャー)。彼はある日、妻のジュディス(グレタ・スカッキ)を助けようとした際に交通事故に遭い、重傷を負う。特に顔面へのダメージが深刻で、記憶喪失に陥ってしまう。その後、整形手術を受けて一命を取り留めたものの、ダンは奇妙な感覚に苛まれるようになる。自宅や友人、さらには自分の姿すら信じられなくなっていくのだ。

疑惑の始まりと真実への扉

ジュディスの献身的なサポートのもと、ダンは徐々に回復していくが、その一方で、彼女の行動に不審な点を見つけ始める。ジュディスの語る過去の出来事にも矛盾が生じていた。さらに、ダンはかつての自分が傲慢な性格であったことを思い出す。特に、卑劣なビジネスパートナーであるジェブ・スコット(コービン・バーンセン)との関係を振り返り、自らの行動に疑問を抱くようになる。

そんな中、ダンはプライベート探偵のガス(ボブ・ホスキンス)の協力を得て、事故に至るまでの出来事を調査し始める。やがて、ダンはジュディスがジャック・スタントンという男性と不倫関係にあったことを知る。そして、ダンがその事実を知り、嫉妬のあまりジャックを殺害したというジュディスの告白にたどり着く。二人はジャックの遺体を古い難破船の近くに埋め、その後、車を走らせて事故を装ったというのだ。

衝撃の真実と忘れられた名作の評価

一見すると、ジュディスの語るストーリーはもっともらしく聞こえる。しかし、ダンはまだ納得できず、ガスと共に事故当夜の真実を突き止めるために動き出す。彼らは難破船を捜索し、ホルムアルデヒドの入ったタンクを発見する。その中には、なんと…