米国議会図書館は、1993年発売の名作FPSゲーム「DOOM」のサウンドトラックを、2024年の「録音資料登録簿」(National Recording Registry)に登録すると発表した。同作の作曲家ボビー・プリンス氏による音楽が、米国の文化的・歴史的・芸術的に重要な録音作品として認められた。
録音資料登録簿とは
録音資料登録簿は、米国の文化的・歴史的・芸術的に重要な録音作品を毎年選定し、議会図書館に保存する制度だ。2000年に制定された「録音保存法」に基づき設立され、議会図書館長が任命する委員会が選考を担当している。登録対象は、米国の生活や歴史を反映する作品に限られる。
これまでに登録された作品には、ビートルズの「アビイ・ロード」、エルヴィス・プレスリーの「エルヴィス・プレスリー」、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの「I Have a Dream」演説などが含まれる。
ビデオゲーム音楽としての歴史的意義
DOOMのサウンドトラックが登録されたのは、ビデオゲーム音楽としては3例目。これまでに登録されたのは、スーパーマリオブラザーズのテーマ曲と、Minecraftのサウンドトラックアルバムのみだった。しかし、DOOMはその中でも特に重要な位置を占める。
その理由は、DOOMが米国発のゲームであり、プリンス氏が米国人初のゲーム作曲家として登録された点にある。また、同作の音楽は、当時のゲーム音楽の枠を超えた革新的なサウンドで、後のビデオゲーム音楽の発展に大きな影響を与えたと評価されている。
意外な登録作品との共存
DOOMのサウンドトラックが登録された2024年の録音資料登録簿には、多くの有名曲や歴史的録音が並んでいる。その中には、以下のような作品が含まれている。
- 「Cocktails for Two」 – Spike Jones and His City Slickers (1944)
- 「Mambo No. 5」 – Pérez Prado and His Orchestra (1950)
- 「Fly Me to the Moon (In Other Words)」 – Kaye Ballard (1954)
- 「The Blues and the Abstract Truth」 – Oliver Nelson (1961)
- 「Modern Sounds in Country and Western Music」 – Ray Charles (1962)
- 「Amen, Brother」 – The Winstons (1969)
- 「Feliz Navidad」 – José Feliciano (1970)
- 「The Devil Went Down to Georgia」 – The Charlie Daniels Band (1979)
- 「Beauty and the Beat」 – The Go-Go’s (1981)
- 「Texas Flood」 – Stevie Ray Vaughan and Double Trouble (1983)
- 「Single Ladies (Put a Ring on It)」 – Beyoncé (2008)
- 「1989」 – Taylor Swift (2014)
これらの作品と並んでDOOMのサウンドトラックが登録されたことで、その歴史的価値が改めて浮き彫りになった。
作曲家ボビー・プリンス氏の功績
プリンス氏は、DOOMのほか、DOOM II、Wolfenstein 3D、Commander Keenなど、1990年代初頭のid Software作品の音楽を手掛けたことで知られる。その革新的なサウンドは、当時のゲーム音楽に新たな地平を切り開き、後のビデオゲーム音楽の発展に多大な影響を与えた。
今回の登録は、プリンス氏の功績を称えるだけでなく、ビデオゲーム音楽全体の文化的価値を再評価する機会ともなった。
「DOOMのサウンドトラックが録音資料登録簿に登録されたことは、ビデオゲーム音楽の歴史的意義を改めて認識させる出来事です。プリンス氏の功績は、今後も多くの人に語り継がれていくでしょう。」
— ゲーム音楽研究家