インターネットの歴史に名を刻まれるプラットフォームのひとつに、Diggの物語がある。かつてRedditの原型を確立した同サイトは、長年にわたり存在感を消長させてきた。しかし2か月前、Diggは一時的に閉鎖された。そして今、再び姿を現したDiggは、新たなミッションを掲げている。その対象は、急成長を遂げる人工知能(AI)分野だ。
トップページには「Hello Again」と掲げられ、創業者のケビン・ローズ氏によるメッセージが公開された。「インターネットにはかつてないほどのノイズが溢れており、その中からシグナルを取り出せる人々の価値はかつてないほど高まっています。私たちはAIから始めます。現在、インターネット上で最もノイズが多く、急速に動く分野だからです」とローズ氏は述べている。
Diggは、AI分野で最も影響力のある1,000人の「思慮深い声」をモニタリングし、彼らが注目する話題をランク付けしてユーザーに届ける計画だ。対象には、サム・アルトマン、イーロン・マスク、アンドレイ・カルパシー、ジェフリー・ヒントンといったAI界の重鎮に加え、研究者、投資家、報道関係者が含まれる。
現在のトップページは一時的なドメインdi.gg/aiにリダイレクトされているが、正式なURLdigg.comへの移行は「準備が整い次第」とされている。また、AI以外の分野にも順次拡大していく予定だという。
過去の失敗と再挑戦
しかし、この再始動に懐疑的な見方も少なくない。昨年、ローズ氏とアレクシス・オハニアン氏はDiggを買収し、人間中心の体験を提供する計画を発表した。しかし、その試みは難航した。当時CEOを務めていたジャスティン・メッツェル氏は3月に、再始動からわずか2か月でプロジェクトが頓挫したと明かした。その原因は、ボットやAIエージェントの急増だった。
「数時間で、私たちは噂でしか聞いたことのない現実を目の当たりにしました。インターネットは今や、高度なAIエージェントや自動化されたアカウントであふれています。ボットが存在することは知っていましたが、その規模や巧妙さ、スピードに圧倒されました」とメッツェル氏は述べた。さらに、競合サイトにユーザーを奪われたことも大きな課題だったという。
今回の再始動では、こうした過去の課題にどう対処するのか、具体的な言及はない。新たな挑戦は、古い課題とどう向き合うのか。Diggの今後が注目される。