HBOの人気ドラマ「Euphoria」は、サム・レヴィンソン監督によるジェネレーションZ世代に焦点を当てた作品で、これまで現実離れした描写が特徴だった。しかし、第3シーズン(前シーズンから5年後の時間経過)で放送された就職シーンは、特に現代の厳しい就職市場を反映していないと視聴者から疑問視されている。
先週放送されたエピソードでは、主要キャラクターの一人であるマディ・ペレスがロサンゼルスで就職活動に奔走するシーンが描かれた。彼女は高級レストランで偶然出会ったハリウッドの重役に対し、わずか数分のスピーチで就職を勝ち取るという展開があった。
マディは「あなたが求めているような人材ではありません。USCにも行っていませんし、大学にも出願すらしていません。両親は移民でした」と切り出し、続けて「私の世代はエントitledだと言われますが、誰もが私に借りがあるわけではありません。私は victime(被害者)ではありません。HRの問題になるような人間でもありませんし、資本主義を信じています」と発言。さらに、その重役の電話に出てエグゼクティブアシスタントとして振る舞い、そのまま就職が決まるという展開だ。
現実の就職市場との乖離
若者がチャンスを求めて奮闘するという物語は映画やドラマでよく見られるモチーフだが、現代の就職市場でこのような方法で就職できるという描写は、多くの視聴者にとってリアリティを感じられないものだった。
ソーシャルメディア「Threads」では、このシーンを切り取った動画が「2026年にどうやって就職するのか、親の考え方」というキャプションとともに投稿され、2万5千件以上の「いいね」を獲得。オンライン上で議論が巻き起こった。
多くのユーザーが、このシーンのセリフは現代の就職環境を理解していない誰かによって書かれたのではないかと指摘した。
「このシーンを書いた人は、過去20年間で就職活動をしたことがないのだろう」
「ベビーブーマーの就職幻想が暴走している」
実際の就職活動に携わる人々も、このシーンがいかに非現実的かを指摘した。
- 「30年以上HR業界にいるが、これは明らかに現実とはかけ離れている。私のベビーブーマーの両親はこう信じているが、実際は違う」
- 「ロサンゼルスでこの手の行動をすれば、誰も相手にしてくれない。むしろブラックリストに載る可能性すらある」
厳しい現実:ジェネレーションZの就職難
今年に入ってからのジェネレーションZの失業率は、全国平均の2倍に達している。また、若年層の求職者の多くは経済的な支援を親に頼らざるを得ない状況にある。採用担当者による「ゴーストング」(連絡を無視する行為)を経験した求職者は53%に上るというデータもある。
そんな中、ドラマのような「奇跡の就職」が現実味を帯びることはほとんどない。あるユーザーはこうコメントした。
「私の父は今でも、小説を売るには400ページの原稿を印刷して郵送するのが最善だと思っている」