FIFAワールドカップ2026が1カ月後に迫る中、NFLスタジアム11会場で人工芝から天然芝への切り替え工事が進められている。NFL選手会(NFLPA)は6月2日、X(旧Twitter)を通じて、スタジアム所有者が別のスポーツの選手に対し、NFL選手が一貫して好む表面を提供することを改めて強調した。

同投稿では次のように述べている。「FIFAワールドカップ2026が1カ月後に開幕し、世界最高峰のサッカー選手たちのために、NFLスタジアムに新しい芝生の表面が設置されています。NFL選手は長年にわたり、より安全で高品質な芝生のフィールドを職場で求めてきました。しかしワールドカップ終了後、ほとんどのスタジアムは再びNFLシーズンに向けて人工芝に戻ります。私たち選手には、好みを優先し、毎週の試合による負荷から身を守り、長期的な健康とパフォーマンスを支援する職場環境が必要です」

選手の好みと怪我のリスク

リーグ側は、芝生と人工芝の怪我発生率に差はないと主張している。しかし選手の好みは圧倒的に芝生に傾いており、怪我のリスクだけでなく、プレー体験の質も重視されている。

芝生のフィールドは、人間の体が生み出す衝撃を吸収する。一方で人工芝はその力を選手の関節や骨に直接返す。人工芝でプレーした翌朝、ベッドから起き上がる際の違いを実感した経験者も多いだろう。

所有者の選択と選手の交渉力

ワールドカップ開催に伴い、スタジアム所有者が芝生を導入するのはFIFAの要求によるものだ。つまり所有者に選択肢はなかった。しかしNFLの試合が行われる際には、所有者に選択肢がある。多くのスタジアムが、維持コストが安く、他のイベント開催時に収益を上げやすい人工芝を選択し続けている。

今回の動きは、選手と所有者間の団体交渉の問題に発展する可能性がある。所有者は、選手が芝生を求める中で、現状の人工芝の数を維持しようとするだろう。選手側が芝生を手に入れるためには、他の条件との交換を余儀なくされる。

これは全てのチームに当てはまるわけではない。バッファロー・ビルズの新スタジアムは、既に芝生を採用している。ビルズは選手の健康とパフォーマンスを最優先に考えているためだ。しかし、このような姿勢はまだ一般的ではない。所有者が状況を変えるまで、選手側が譲歩を迫られる構図が続くだろう。