米国科学財団(NSF)は、地球科学分野のポスドク奨学金プログラムを廃止した。同機関のウェブサイト上で募集要項が「アーカイブ済み」と表示されており、研究者の間で議論を呼んでいる。

この変更は、Eos誌が今週確認したものだが、Redditユーザーが3月にすでに指摘していた。同プログラムは、NSFの地球科学部門(EAR)が管轄する分野の若手研究者を対象に、年間約278万ドル(8~10件の奨学金)を支援していた。

研究者の反応と影響

「国の最も強力な人々が、あなたの分野など存在すべきではないと決めたら、どうしますか?」と地球科学者の1人がBluesky上で発言。「GEO分野の新規助成金がなくなったら、私たちは今後どうすればいいのか」と別の研究者も懸念を示した。

NSFの組織再編と新体制

NSFは2025年12月に「組織再編」を発表し、2026年2月には地球科学部門(GEO)に新しいリーダーシップが導入された。Joydip Kundu氏がGEOの新責任者に就任し、2025年7月からNSF GEOに在籍していた同氏は、それ以前はホワイトハウス管理予算局(オバマ政権下)やメリーランド大学で活動していた。

NSFの広報担当者はEosに対し、「EARポスドク奨学金募集はアーカイブされ、今秋の公募は行われません。NSFは引き続き助成金ポートフォリオを評価し、若手地球科学者向けの資金提供機会を模索します」とコメントした。

他分野の奨学金は存続

一方で、NSFは工学、起業研究、数学、物理科学分野のポスドク奨学金を引き続き提供している。生物学分野の奨学金は、人工知能を活用する研究に限定されている。

今後の展望と課題

今回の廃止は、若手地球科学者の研究機会に大きな打撃を与える。特に、地球科学分野の将来を担う若手研究者の育成に与える影響が懸念される。研究者コミュニティからは、政策変更が科学研究に及ぼす影響について、さらなる議論が求められている。

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