カリフォルニア州サンフランシスコで始まったOpenAIの裁判において、イーロン・マスクが提起した訴訟の裏で、驚くべき交渉劇が明らかになった。マスクは裁判開始のわずか数日前、OpenAIに対し和解を模索していたという。
今月10日に行われた法廷提出書類によると、マスクは裁判の2日前にOpenAIの社長グレッグ・ブロックマンにメッセージを送り、和解の可能性を打診した。ブロックマンはこれに対し、「双方が訴えを取り下げる」ことを提案したが、マスクはこれを拒否。さらにマスクは脅迫めいた発言を残し、ブロックマンがその内容を証拠として法廷で証言する可能性が出てきた。
「米国で最も嫌われる男に」との発言
マスクはブロックマンの和解提案に対し、以下のように返信していた。
「今週末までに、あなたとサムは米国で最も嫌われる男になるだろう。それでも強行するのなら、そうなるがいい。」
この発言は、マスクの真意を示す証拠として、裁判所がブロックマンの証言を認める可能性があると報じられている。マスクの代理人はこの発言を「単なる感情的な反応」と主張しているが、法廷の動向が注目される。
OpenAI提訴の背景
マスクは2015年にOpenAIを共同設立したが、2018年に離脱。その後、OpenAIが営利企業へと転換し、マイクロソフトとの提携を強化したことで、AI技術の公益利用という当初の使命を放棄したと主張し、2024年2月に提訴に踏み切った。訴状では、OpenAIが「非営利団体としての使命を裏切った」と非難している。
一方でOpenAI側は、マスクの主張を「根拠のないもの」と一蹴。同社の弁護団は、マスクが設立時に行った寄付契約の条項を根拠に、提訴は「法的根拠に乏しい」と主張している。
今後の展開
現在、裁判は進行中で、ブロックマンの証言を含む今後の審理が注目される。マスクの発言が法廷でどのように扱われるか、またOpenAIの主張が認められるかについて、専門家の間で議論が交わされている。