人気コメディアンで俳優のキング・バック(本名:アンドリュー・バチェラー)は、YouTube、TikTok、Instagramの総フォロワー数5800万人を超えるにもかかわらず、常に「誰かがまだ見ていない」という視点を持ち続けている。そのため、彼はクリエイターTVと提携し、既存のYouTubeコンテンツをテレビシリーズ化する計画を発表した。
バチェラーはTheWrapのインタビューで「フォロワー数や再生回数は関係ありません。必ず見ていない人がいるのです」と語った。バチェラーは2013年に短編動画アプリVineで頭角を現し、パロディミュージックビデオで注目を集めた。Vineの終了後も、コメディアンとしての活動を続け、日常スケッチや「Sinners」や「Dancing with the Stars」などのパロディ動画を制作。そして今回、クリエイターTVとの提携により、自身初のスケッチ番組「The King Bach Show」の主演を務めることになった。
クリエイターTVのビジネスモデルと成功例
クリエイターTVは、クリエイターの既存コンテンツをテレビ番組化することで、クリエイターと従来のエンターテインメント業界の垣根をなくす取り組みを進めている。同社はこれまでにも、コメディアンでクリエイターのトレイ・ケネディ(TikTokフォロワー420万人)と提携し、スタンドアップスペシャル「Blinded by the White」を制作。また、俳優でクリエイターのジェニー・ロレンソ(Instagramフォロワー33万2000人)との番組「Latinos Be Like」も手掛け、いずれもSling TVで視聴可能となっている。
FASTストリーミングの拡大とクリエイター番組の台頭
バチェラーのクリエイターTVとの提携は、FAST(無料広告支援型テレビ)ストリーミングのトレンドの一環でもある。サムスンTV Plusでは、マーク・ロバーやダル・マン、ミシェル・カハレ、スモッシュ、ザ・トライガイズなどのクリエイター専門チャンネルが複数展開されている。Tubiはさらに積極的にクリエイター向けチャンネル(ジュビリー・メディア、キニグラ・ディオン、グッド・ミシカル・モーニングチームなど)のコンテンツを配信し、独自番組の制作も行っている。また、子供向けYouTubeコンテンツをテレビ向けに再編集する専門会社「Pocket.watch」も存在し、ライアン・ワールドやキッドシティなどのシリーズを手掛け、HuluやPeacockと提携している。
今回、キング・バックも同様の扱いを受けることになった。クリエイターTVの共同創業者でコンテンツ責任者のチャーリー・イバラはTheWrapに対し、「私たちはクリエイターの作品をシリーズ化し、エピソード同士がテーマでつながるように制作しています」と語った。バチェラーの番組では、デートに関するスケッチやパロディを中心としたエピソードが展開される予定で、Plex、Sling Freestream、LiveTVxといったFASTプラットフォームで視聴可能となる。
ポーカー選手権での出会いが契機に
キング・バックとクリエイターTVの提携は、わずか数ヶ月で実現した。昨年12月、ラスベガスで開催された第1回「クリエイター・ポーカー選手権」(ワールド・ポーカー・ツアーとクリエイターTV共催)で、バチェラーは2位を獲得。その際にクリエイターTVチームとの交流が生まれたという。
バチェラーは「10年以上この業界で活動してきましたが、クリエイターTVとの出会いは本当に特別でした。彼らのビジョンに共感し、今後も一緒に素晴らしいコンテンツを作っていきたいと思っています」と語った。