かつて「Substack」は、独立系メディアや作家にとって最も魅力的なニュースレター配信プラットフォームの一つだった。しかし現在、同社から離脱するクリエイターが相次いでおり、その理由はプラットフォームの方針転換に対する不満が主な要因となっている。

「Substack Tax」が作家たちのビジネスを圧迫

直近では、人気メディア「The Ankler」がSubstackからの移行を発表した。同メディアは、自社サイトの管理権限をより強化できる新たなプラットフォームへと移行した理由を明らかにしている。また、Substackのソーシャル機能強化や、クリエイターの収益を圧迫する新たな手数料体系(通称「Substack Tax」)が、作家たちの不満を招いているという。

2024年には、Substackがネオナチ系ニュースレターを巡る論争で多くのクリエイターからの信頼を失った。しかし現在は、それだけにとどまらず、プラットフォームの機能や収益モデルそのものに対する不満が表面化している。

クリエイターが求める「自由とコントロール」

移行を決めた作家やメディアの多くは、以下のような理由を挙げている。

  • サイトの所有権と管理権限の確保:Substack上でコンテンツを配信する場合、サイトのデザインや機能、ユーザーデータの管理権限が限定される。このため、自社でサイトを運営したいクリエイターが増加している。
  • 手数料体系の見直し:Substackは、有料購読者からの収益に対して一定の手数料を徴収するモデルを採用している。しかし、この手数料がクリエイターの収益を圧迫する要因となっているとの声が上がっている。
  • ソーシャル機能の強化:Substackは、ニュースレター機能に加えて、ソーシャルメディア的な機能(コメント機能やフォロワーシステムなど)を強化している。しかし、クリエイターの中には、こうした機能がニュースレター本来の目的から逸脱していると感じる人も少なくない。
  • プラットフォームの方針に対する不信感:Substackのコンテンツモデレーションやプラットフォームの方針変更に対する不信感が、クリエイターの離脱を加速させている。

代替プラットフォームへの移行が加速

Substackからの離脱が相次ぐ中、クリエイターたちは以下のような代替プラットフォームへと移行している。

  • Ghost:オープンソースのCMSとして知られ、サイトの所有権と管理権限を完全にクリエイターに委ねるプラットフォーム。手数料も低く抑えられている。
  • Beehiiv:ニュースレター配信に特化したプラットフォームで、成長に応じた柔軟な料金体系が特徴。クリエイターの収益を最大化する仕組みが整っている。
  • ConvertKit:クリエイター向けのメールマーケティングツールとして知られ、ニュースレター配信機能も充実している。
  • Medium:パブリッシングプラットフォームとして知られ、購読型モデルだけでなく、広告収益モデルも選択できる。

今後の展望と課題

Substackの離脱が続く中、同社はクリエイターとの関係修復に向けた取り組みを強化している。しかし、クリエイターたちの求める「自由とコントロール」をどこまで取り戻せるかが、今後の成長を左右する鍵となるだろう。

一方で、代替プラットフォームの多くは、クリエイターのニーズに応える機能や料金体系を提供しており、今後もクリエイターの移行が続く可能性が高い。

出典: The Verge