シボレー・ブラジルは、ブランド創立100周年を記念して3台のクラシックカーをオークションに出品した。その中には、1970年代のムスクルカーをレストモッド(現代技術を用いた復元)した2台の「オパラSS」と、南米屈指の過酷なオフロードレース「ラリー・ドス・セルテス」で活躍した「シボレーS10ラリー」が含まれている。
これらの車両は、ブラジル・サンパウロ州のカムポス・ド・ジョルダンにあるカルデ博物館で開催されたオークションで競売にかけられ、その収益の一部は慈善団体に寄付された。
1970年代ムスクルカーのレストモッド:オパラSS
オークションに出品された2台のオパラSSは、1976年式と1979年式の2台。いずれも当時の最上位グレード「SS」仕様で、ブラジル国旗をイメージした黄色と緑色に塗装されている。見た目はほぼオリジナルだが、内部は大幅に近代化されている。
- エンジン:4.1リットル直列6気筒に電子式燃料噴射装置を搭載し、5速マニュアルトランスミッションと組み合わせ。
- サスペンション・ブレーキ:ビルシュタイン製ショックアブソーバーとパフォーマンスローターを採用し、操縦安定性と制動力を向上。
- インテリア:レザーシート、3点式シートベルト、Bluetooth対応オーディオ、現代的なエアコンを装備。オリジナルの雰囲気を損なうことなく、快適性と安全性を高めた。
内装写真はまだ公開されていないが、シボレーは「オリジナルの特徴を失うことなく、洗練させた」と説明している。
レース由来のS10トラック:ラリー・ドス・セルテス仕様
2004年式のS10ラリーは、レース仕様に忠実にレストアされた。外観はレースで培われたパティナ(経年変化)を残しつつ、塗装をリフレッシュ。内装にはFIA(国際自動車連盟)が定めるロールケージ、バケットシート、5点式ハーネスを装備している。
- エンジン:2.8リットルターボディーゼルエンジンは、レース仕様では300馬力以上を発揮したが、市販仕様ではマイルドにチューニングされ、実用性を重視。トルクは491Nm(362lb-ft)を2,000rpmで発生し、街乗りでも十分な加速性能を確保。
シボレー・ブラジルの広報担当者は「このトラックを見つけるのに苦労したが、最終的にレース仕様のままの状態で発見できた」と語っている。
ブラジルにおけるシボレーのヘリテージ戦略
今回のオークションは、シボレー・ブラジルが2023年に「オメガ」セダンのレストアを発表して以来、同ブランドのヘリテージ(伝統継承)プロジェクトの第2弾となる。同社はブラジル市場におけるクラシックカーの復活と、レース由来の技術を市販車にフィードバックする取り組みを強化している。
今後も、ブラジル国内外のレースやクラシックカーイベントを通じて、シボレーの歴史と技術の継承が続けられる見込みだ。