NASAのアルテミスII成功後、月面着陸機開発に注目

NASAは1972年以来となる有人月面ミッション「アルテミスII」の成功を受け、現在もその余韻に浸っている。次なる目標は、宇宙飛行士を月面に着陸させるための着陸機の開発完了だ。本稿では、NASAの二大契約企業であるスペースXとブルーオリジンの最新開発状況に焦点を当てる。

スペースXとブルーオリジンの月面着陸機開発競争

NASAは2021年、有人月面着陸機の開発をスペースXとブルーオリジンに委託した。両社は現在、有人月面着陸を実現するための技術開発を急ピッチで進めている。

スペースXは、スターシップをベースとした月面着陸機「スターシップHLS」を開発中。完全再使用型のスターシップは、月面への物資輸送と有人着陸の両方に対応する計画だ。2024年3月にはスターシップのV3バージョンのエンジンテストが実施され、さらなる性能向上が確認された。

ブルーオリジンは、ブルームーンと呼ばれる月面着陸機の開発を進めている。同社は2023年5月にNASAとの契約を獲得し、2029年の有人月面着陸を目指している。ブルームーンは、月面への物資輸送と有人ミッションの双方に対応する設計となっている。

電磁加速器による新たな打ち上げ技術の台頭

イスラエル発の宇宙ベンチャー企業ムーンズホットスペースが、電磁加速器を活用した新たな打ち上げ技術の開発に乗り出している。同社は2024年4月、アラスカ州フェアバンクスに初の電磁加速器を設置する覚書を、宇宙港運営企業のアラスカ・エアロスペース・コーポレーション(AAC)と締結した。

ムーンズホットスペースは2023年12月に1200万ドルの資金調達を発表し、化学燃料に依存しない電気推進システムを開発中。この技術により、超音速での物資輸送や宇宙への貨物デリバリーが可能になると期待されている。

電磁加速器の仕組み

電磁加速器は、電磁力を利用して物体を加速させる技術。従来の化学ロケットに比べ、コスト削減と環境負荷の低減が期待される。ムーンズホットスペースは、アラスカの寒冷地でも安定して稼働するシステムの実現を目指している。

今後のロケット打ち上げスケジュール

本レポートでは、小型・中型・大型ロケットの最新動向に加え、今後3回の主要な打ち上げスケジュールを紹介する。

  • スペースX:スターシップのさらなるテスト飛行(2024年内)
  • NASA:アルテミスIII有人月面着陸ミッション(2026年目標)
  • ブルーオリジン:ブルームーンの無人テスト飛行(2025年予定)

まとめ

NASAのアルテミス計画を受け、月面着陸機の開発競争が加速している。スペースXとブルーオリジンは、それぞれ独自の技術で有人月面着陸の実現を目指しており、今後の進展が注目される。また、ムーンズホットスペースによる電磁加速器技術の実用化も、宇宙輸送の新たな可能性を切り拓くだろう。