米連邦通信委員会(FCC)は2024年6月11日、エコースター(Dish Networkの親会社)が保有する周波数帯ライセンスをAT&TとスペースX(Starlink運営)に売却する取引を正式に承認した。

総額400億ドルに上るこの大型取引は、FCCの無線通信局と宇宙局が発行した命令に基づくもの。FCCのブレンダン・カー委員長が昨年、スペースXからの指摘を受け、エコースター傘下のDish Networkが「米国消費者へのモバイルサービス提供に周波数帯をほとんど活用していない」と批判したことが背景にある。

カー委員長は、Dishがバイデン政権時代のFCCから得ていたネットワーク展開義務の期限延長に反対し、ライセンス取り消しの可能性を示唆。これを受け、エコースターはスペースXに対し170億ドル、AT&Tに対し230億ドルで周波数帯を売却することで合意に至った。

業界への影響と今後の展望

今回の決定は、衛星通信と地上通信の双方を手掛ける企業間の競争力強化につながるとみられる。特にスペースXはStarlinkのサービス拡大に向け、周波数帯の獲得を進めており、AT&Tも5Gサービスの強化に向けた戦略的な動きと位置付けている。

一方で、小規模な通信事業者からは、FCCの判断が大手企業優遇につながるとの批判も上がっている。今後、周波数帯の再配分が業界全体の競争環境に与える影響が注目される。