ソニーは5月10日、2024年3月期の決算発表において、同社におけるAI活用の方向性について言及した。特にPlayStationゲームの開発におけるAIの可能性について、具体的な取り組みを紹介している。

AIは「強力なツール」だが、クリエイターの役割は不変

ソニーはAIを「強力なツール」と位置づけつつも、ゲームの「ビジョン」「デザイン」「感情的なインパクト」は人間のクリエイターによって生み出されるべきだと強調した。同社は声明で次のように述べている。

「AIはクリエイターの能力を拡張するためのものであり、決して彼らを置き換えるものではありません。ゲームの核となる価値は、スタジオやパフォーマーの才能によって生み出されるのです」

また、AIは「反復的な作業の自動化」や「クリエイターの負担軽減」を目的として活用されることが明らかになった。

スタジオ内でのAI活用事例

ソニーのスタジオでは、既にAIを活用した開発が進められている。具体的には、以下のような取り組みが紹介されている。

  • テクスチャや背景の自動生成:膨大な時間を要する作業を効率化
  • キャラクターのモーション作成支援:アニメーションの精度向上と開発期間の短縮
  • 音声処理の高速化:ボイス収録や編集プロセスの最適化

これらの取り組みにより、クリエイターはより創造的な作業に集中できる環境が整いつつある。

インディー開発者との温度差も浮き彫りに

一方で、大手ゲームの開発現場ではAI導入が進む一方で、インディー開発者の間ではAI利用に対する抵抗感が依然として根強い。多くの小規模スタジオは、AIがもたらす倫理的な問題や、作品の独自性の低下を懸念しているという。

ソニーはこうした意見にも耳を傾けつつ、自社の方針として「人間のクリエイターを支援するAI」の活用を推進していく方針だ。

出典: The Verge