テスラは2024年第一四半期の決算発表に伴い、同社の税務申告書に記載されたわずか1文の記述が、業界関係者に大きな疑問を投げかけている。

同文書によると、テスラは2026年4月に「AIハードウェア企業」を最大20億ドル相当の自社株式と株式報酬で買収する契約を締結したという。このうち約18億ドルは、買収先企業の技術展開に関する業績条件やサービス条件に基づく支払いとなる見込みだ。

しかし、この企業の名称や具体的な事業内容、買収の目的は一切明らかにされていない。テスラの経営陣でさえも、その正体を把握していない可能性が高い。

テスラのAI戦略と矛盾する謎の買収

この謎の買収は、テスラのAI分野へのシフトと整合性を持つものの、その内容は極めて不可解だ。イーロン・マスクCEOは既にxAI(推定時価総額2500億ドル)を所有しており、同社は最近SpaceXに統合されたばかりだ。にもかかわらず、テスラを新たなAI拠点にしようとしているのだ。

テスラは決算発表と同時に、AIとロボティクス分野への設備投資額を前年の85億ドルから250億ドル以上に大幅に増額すると発表した。マスクCEOは投資家向け説明会で「当社は多くの野心的な大規模プロジェクトに取り組んでいる。いずれも非常に困難だが、画期的な成果をもたらすと確信している」と述べた。

EV事業の行方は不透明に

この買収がテスラの電気自動車(EV)事業に与える影響は不明だが、マスクCEOの関心がEV以外の分野に向いていることは明らかだ。テスラの将来戦略におけるAIとロボティクスの位置付けが、今後ますます注目を集めそうだ。

「テスラは単なる自動車メーカーではなく、AIとロボティクスのリーディングカンパニーを目指している」
— イーロン・マスクCEO
出典: Futurism