米疾病対策センター(CDC)のインフルエンザ研究の第一人者であり、世界的な感染症対策に多大な貢献を果たしたナンシー・コックス博士が死去した。77歳だった。
コックス博士は、CDCのインフルエンザチームを22年にわたり率い、14人体制の部門を100人以上の大規模な研究部門へと成長させた。また、CDC内のWHOインフルエンザ共同研究センターの所長も務め、世界的なインフルエンザサーベイランスと対策の強化に尽力した。
死去は、脳腫瘍(神経膠腫)によるものだった。訃報は12月12日に発表された。
世界的な感染症対策への貢献
コックス博士のリーダーシップは、インフルエンザ研究の分野に革新をもたらした。特に、新型インフルエンザの出現に備えた迅速な検出・対応システムの構築に尽力し、パンデミック発生時の国際的な連携強化に貢献した。
WHOの共同研究センター所長として、彼女は世界各国の研究機関との連携を深め、インフルエンザウイルスの監視体制の整備を推進。その成果は、2009年のH1N1パンデミック時の迅速なワクチン開発と配布につながった。
後進への影響と追悼の声
コックス博士の死去に対し、世界保健機関(WHO)やCDC、各国の研究者から追悼の声が寄せられている。
「ナンシーは、インフルエンザ研究の未来を切り拓いたパイオニアであり、多くの研究者にとってのロールモデルだった。彼女の功績は計り知れない。」
— WHO感染症対策部門幹部
CDCのロバート・レッドフィールド前所長は、「彼女のリーダーシップなくして、現代のインフルエンザ対策は語れない」と称賛した。
今後のインフルエンザ対策への影響
コックス博士の死去は、世界のインフルエンザ対策に大きな空白をもたらすと懸念されている。特に、新型ウイルスの出現に備えた研究体制の維持と強化が、今後の課題となるだろう。
関係者は、彼女の遺志を引き継ぎ、国際的な連携を一層強化することで、パンデミックへの備えを進めていくとしている。