NFLの有料配信化にトランプ氏が「ファンを切り捨てる行為」と強く批判

米国のスポーツ界と政治の緊張関係が、再びNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の有料配信化という形で表面化した。トランプ前大統領は、有料プラットフォームでの試合配信について「リーグがファンを切り捨てる行為だ」と厳しく非難した。

米番組「フル・メジャー」とのインタビューで、トランプ氏はNFLが試合を有料プラットフォームに移行させることについて「価格つり上げ(プライス・ゴーイング)に当たるのではないか」との問いに対し、こう答えた。

「厳しい状況です。フットボールが大好きな人々がいます。素晴らしい人々ですが、この料金を支払うだけの余裕はありません。リーグは自らの首を絞めているのかもしれません。
新しいキックオフ方式も問題です。あれは見るに堪えません。私はあの偽物のようなキックオフが嫌いです。安全性も向上していないと思います。カレッジフットボールも同じことをしないことを願っています。」

トランプ氏は、NFLが2022年に導入した新しいキックオフ方式にも言及。この方式は従来よりもリターン回数が増加するなどの変化があったが、同氏は「安全性が向上していない」と主張した。

リーグの方針転換に対する懸念

インタビューでは、試合の有料配信化についても厳しい見方を示した。トランプ氏は「リーグは慎重に行動すべきだ。過去に同様の試みを行った他のスポーツが、最終的にファンを失ってしまった例がある。多くの人々からフットボールを奪うことになるのは非常に悲しい。私はこの方針が好きではない」と語った。

さらに、政府が介入すべきかどうかについて尋ねられると、こう答えた。

「わからない。だが、私はこの方針が好きではない。リーグは多額の利益を上げている。少しでも利益を減らして、多くの人々に試合を見せるべきだ。日曜日に生きる人々がいる。彼らは他のことを考えられないほどフットボールに夢中なのに、突然1試合あたり1,000ドルを支払わなければならなくなる。これは狂気の沙汰だ。私はこの方針に満足していない。」

※注:トランプ氏が「1試合あたり1,000ドル」と発言したと報じられているが、実際にはシーズン全体で約1,000ドル程度の費用がかかる可能性が指摘されている。

NFLの戦略と政治的な駆け引き

NFLは現在、2029年までの放送権契約を巡り、無料放送局に対してより高額な契約を求めている。しかし、フォックス・コーポレーションのルパート・マードック会長率いる放送局側は、政治的な圧力をかけるなどしてこれに抵抗している。

トランプ氏の発言は、リーグの収益重視の方針に対するファンの不満が高まる中で、政治的な議論を巻き起こす可能性がある。リーグがファンとの関係を損なうことなく、収益とアクセスのバランスを取ることが今後の課題となるだろう。