ChatGPTの中国語対話、奇妙な表現が頻出
英語圏のユーザーにとっても奇妙に感じられるChatGPTの回答だが、中国語対話ではさらに奇妙な表現が頻繁に登場することが明らかになった。米誌Wiredの調査報道によると、中国語ネイティブの多くは、ChatGPTの中国語回答に違和感を覚えているという。
「我会稳稳地接住你」が象徴的な表現に
Wiredの報道によれば、ChatGPTは中国語ユーザーの質問に対し、しばしば「我会稳稳地接住你」と回答する。直訳すると「私はあなたをしっかりと受け止めます」だが、中国語ネイティブにとっては違和感のある表現だという。同誌のジャーナリスト、Zeyi Yang氏は「I’ll hold you steadily through whatever comes」といったより洒落た訳も可能だが、いずれにせよ不自然に感じられるそうだ。
「砍一刀」も頻出する奇妙な表現
このほか、ChatGPTは中国のECプラットフォーム「拼多多」で使われる「砍一刀」(「一度切り下げる」または「値引きする」の意)という表現を回答に織り込むこともある。Wiredはこれを「鬱陶しい広告コピーのパロディ」と評している。
中国ネットユーザーの間で「空気袋」のミームが拡散
こうした奇妙な表現は中国のネットユーザーの間でミーム化しており、ChatGPTを巨大な空気袋に例えて「落ちる人に対して安全に受け止める」といった揶揄が広まっている。
「モード崩壊」が原因か?
Wiredは、こうした現象の背景に「モード崩壊(mode collapse)」と呼ばれる現象が関係している可能性を指摘している。これは、大規模言語モデル(LLM)のトレーニング時に、人間のデータアノテーターが無意識のうちに馴染みのある表現を好む傾向にあることが原因だという。
いったん学習されたLLMは、特定の表現を「忘れる」ことが難しく、開発者が特定の回答を強化しても、その表現が過剰に使用されるリスクが生じる。AIライティング検出ツール「Pangram」の共同創業者兼CEO、Max Spero氏はWiredに対し、「良い文章とは何かを教えることはできるが、その良い文章を10回繰り返すと、もはや良い文章ではなくなる」と語った。
英語圏と中国語圏で共通する違和感
いずれにせよ、英語圏でも中国語圏でも、ChatGPTの奇妙な回答に対する不快感は共通しているようだ。Wiredは「たとえ些細なことであっても、世界中のユーザーが同じ違和感を抱くというのは興味深い」と述べている。