トランプ大統領、イランとの膠着状態に苛立ち 米軍がホルムズ海峡で新たな軍事行動を検討

米国のドナルド・トランプ大統領は、イランとの外交交渉が「合意なき平和、戦争なき平和」という膠着状態に陥っていることに強い不満を抱いていた。この状況を打破するために検討された軍事行動が、最終的に再び戦争へと発展する可能性が浮上している。

米高官が明かしたところによると、トランプ大統領は「大統領は行動を求めている。現状に甘んじるつもりはない。圧力をかけ、合意を目指す」と述べていたという。

当初の計画:ホルムズ海峡の強行突破

今月21日の木曜夜、米軍はホルムズ海峡を強行突破する計画を提案された。この計画では、米海軍艦艇が海峡を通過し、イランの妨害を排除する強硬策が検討されていた。しかし、トランプ大統領は直前になってより慎重な対応を選択した。

現行の措置:商船の安全確保を支援

米軍は24日から、米国籍または他国籍の商船がホルムズ海峡を安全に通過できるよう支援を開始する。具体的には、機雷回避のアドバイスを提供し、イランによる攻撃が発生した場合には即時介入する体制を整える。

米国防総省によると、この「プロジェクト・フリーダム」には、ミサイル駆逐艦、無人機、100機以上の陸海軍機、1万5千人の兵士が投入される。ただし、現時点では艦隊護衛は計画されていない。米艦艇は「近傍」に配置され、緊急時には即応態勢を取る。

イランの反応が鍵を握る

イランは過去1週間、ホルムズ海峡を通過しようとする船舶に対し、ほぼ毎日攻撃を行っていた。イラン議会国家安全保障委員会のエブラヒム・アジジ委員長は、トランプ大統領の動きに対する報復を示唆した。

「警告する。ホルムズ海峡における米国のいかなる干渉も停戦違反と見なす。ホルムズ海峡とペルシャ湾は、トランプ氏の妄想的な投稿によって管理されることはない!」

外交交渉の現状:合意への模索は続く

その一方で、外交交渉は完全に停滞しているわけではない。トランプ大統領の側近であるジャレッド・クシュナー氏とスティーブ・ウィトコフ氏は、イランのアッバス・アラグチ外相との間で協議を続けている。

米高官によれば、「交渉は続いている。提案は交換されているが、双方とも相手の提案に満足していない。最高指導者の動向も不透明だ。メッセージは手渡しで洞窟や隠れ場所にいる誰かに運ばれている。これが交渉を遅らせている」と語った。

ウィトコフ氏はトランプ大統領に対し、交渉を継続するよう助言し、合意の可能性について楽観的な見方を示していたが、他の高官らはより悲観的な見通しを抱いているという。

軍事行動のリスクと今後の展開

米軍の関係者によると、今回の措置は即時のエスカレーションを避ける一方で、膠着状態を打破する効果は限定的だと指摘する。イランの反応次第で、プロジェクト・フリーダムの規模や性質が変化する可能性がある。

ある米高官は、この動きを「イランとの対決に向けたプロセスの始まり」と表現した。また、人道的な名目で行われる船舶救出作戦は、イランが攻撃を行えば「悪役」となり、米国に正当な行動の正当性を与える可能性があるとの見方も示された。

その一方で、より野心的な計画を提案していた米中央軍(CENTCOM)のブラッド・クーパー司令官は、イランが反撃した場合にはミサイルや高速艇を排除し、必要に応じて全面戦争に移行する強硬策を主張していた。しかし、現行の措置はリスクを抑えつつも、膠着状態を維持する可能性がある。

まとめ:外交と軍事の狭間で模索続く

トランプ大統領のホルムズ海峡を巡る軍事行動は、イランとの膠着状態を打破する試みの一環だが、その帰趨はイランの反応にかかっている。外交交渉は細々と続いているものの、合意に至る道のりは依然として不透明だ。米国が軍事的圧力と外交交渉の両輪を回しながら、今後数週間で状況がどのように展開するか注目される。

出典: Axios