トランプ前大統領が共和党議員に対し、民主党のジョン・フェッターマン議員を取り込み、辛うじて維持している上院過半数の確保を図るよう指示したことが明らかになった。
Politicoによると、フェッターマン議員が共和党に鞍替えすれば、その背景にはトランプ氏のロビー活動や支援金、共和党議員のデイブ・マコーミック氏とケイティ・ブリット氏との関係が影響しているという。同紙は、フェッターマン議員がこの提案に前向きな姿勢を示したと伝えた。
今年3月、FOXニュースのショーン・ハニティ氏がフェッターマン議員を取材した際、ハニティ氏は「昨夜、トランプ大統領と話をしました。あなたが番組に出演することを伝えたところ、『彼を共和党に引き込みたい。全面的な支援と、想像を超える資金を提供し、大勝利を収めさせる』と語った」と述べた。
しかしフェッターマン議員は、少なくとも公の場では民主党への忠誠を表明し続けている。
「私は変わらない。民主党員であり続ける。…ダメな共和党員になるだろうね」
— Politicoのインタビューにて
一方で、フェッターマン議員は民主党内でも批判が強まっており、共和党側からの取り込み工作が活発化している背景には、その存在がある。議員は2016年にバーニー・サンダース氏の支援を受けて初当選し、2022年の上院選挙でも進歩主義者としての顔を保ち続けたが、実際にはトランプ大統領の政策を支持する発言や行動を繰り返してきた。
議員はトランプ氏との会談を公にした最初の民主党議員であり、移民取り締まり機関ICEの廃止を求める声に対し「不適切でとんでもない」と発言。イランにおけるトランプ氏の戦争権限を制限する法案に唯一反対し、イスラエル支持を最も強固に掲げる議員の一人でもある。昨年の会話で「皆殺しにしよう」と発言したと報じられたが、議員はこれを否定した。
今月初め、ペンシルベニア州下院議員らは、フェッターマン議員の2028年再選に対する信任投票を求められた際、誰一人として賛成できないと回答。議員の党内における立場の不安定さが浮き彫りとなった。
こうした立場は民主党内だけでなく、州全体でも不人気だ。先月のCNNの世論調査では、フェッターマン議員の民主党内における支持率が、就任前の+68ポイントから2026年には-40ポイントまで急落。CNNのハリー・エンテン氏は「彼の不人気ぶりは歴史的にも類を見ない」と語った。
こうした状況を踏まえ、トランプ氏は「お気に入りの民主党員」と呼ぶフェッターマン議員の取り込みを本格化させている。