ニューヨーク州警察は、州内の高速道路におけるスピード違反や危険運転の取り締まり強化のため、フォード・マスタングGTを導入すると発表した。V8エンジンを搭載したこのマッスルカーは、従来のパトロール用SUVと比較して導入コストが約30%低く、機動性にも優れている。

同州警察は、まず19台のマスタングGTを導入し、そのうち1台はすでにプロトタイプとして運用・評価に使用されている。今週中に最初の1台が「 Troop G(トロープG)」と呼ばれる首都圏エリアで実務に就く予定で、残りの車両も緊急灯や無線機などの警察装備を搭載した後、数週間以内に州内各地に配備される見込みだ。

SUVとの棲み分けで効率的なパトロールを実現

マスタングGTは、州警察のSUV隊と完全に入れ替わるわけではなく、高速道路や目立つ取り締まりキャンペーン時に特化して活用される。SUVは日常のパトロールや悪天候時の運用に適しており、乗降のしやすさや積載スペース、悪天候時の走行性能に優れている。一方で、マスタングGTは軽量でハンドリングが優れ、直線での加速力も高いため、暴走運転車両の追跡に最適だ。また、その存在自体がドライバーに与える心理的な抑止効果も期待できる。

予算面でもメリットが大きい

ニューヨーク州当局によると、マスタングGTの導入コストはパトロール用SUVと比較して約30%安く、費用対効果が高いという。一般的な「予算に優しい」と「20MPG(燃費)のV8クーペ」という言葉が同時に使われることは珍しく、実用的な面でも注目を集めている。

冬季は運用せず、季節限定で活躍

ただし、マスタングGTには明確な制約もある。後部座席が狭く、後部ドアがないため、被疑者の輸送には適さない。また、後輪駆動のマッスルカーが氷雪路に苦手なことから、冬季(春から秋にかけて)のみ運用される予定だ。

米国各地で広がる警察マスタングの活用

警察車両としてのマスタングの活用は決して新しいものではないが、近年はSUVなどの実用車にシフトする傾向が強かった。そんな中、ニューヨーク州の決定は「ノスタルジック」な印象を与えるが、同州だけの動きではない。サウスカロライナ、インディアナ、バージニア、フロリダ、ジョージアなどの州警察でも、すでにマスタングをパトロールカーとして導入している。

「マスタングGTは、高速道路でのスピード違反取り締まりに特化した車両として、費用対効果と機動性の両面で優れた選択肢となるだろう」
— ニューヨーク州警察関係者
出典: CarScoops