ネットフリックスで2025年7月に公開されたエミリー・ヘンリーの恋愛小説「People We Meet on Vacation」が、公開直後から世界的な注目を集めている。同作のオーディオブックが Spotify で再生数515%増を記録するなど、書籍の映像化が与える影響力が改めて示された。
同小説は、ネットフリックス公開から2週間で全フォーマットの売上が97%増加。さらに、ニューヨーク・タイムズのベストセラーに再浮上するなど、書籍と映像の相乗効果が明確に表れた。主演はエミリー・バダーとトム・ブライスが務め、ネットフリックスの書籍原作コンテンツの成功例のひとつとなっている。
ネットフリックスの書籍原作が視聴時間の20%を占める
ネットフリックスは2025年のワールドブックデーに、書籍原作の映像化が同プラットフォームの成長を牽引していると発表した。2025年には書籍原作タイトルが世界で90億回以上視聴され、全視聴時間の20%を占めたという。この成功は2026年にも継続しており、年初から13週間連続で書籍原作の新作・再公開作が「グローバルTOP10」にランクインしている。今年に入ってすでに14カ国の書籍が映像化され、世界的な広がりを見せている。
他の書籍原作も Spotify や売上で急上昇
「People We Meet on Vacation」だけでなく、他の書籍原作も映像化を機に大きな成果を上げている。
- 「His, Hers」(テッサ・トンプソン、ジョン・バーンタル主演)のオーディオブックは、限定シリーズ公開後に Spotify 再生数が494%増加。アマゾンのベストセラーでも15位にランクインした。
- 「Finding Her Edge」(ジェニファー・イアコペッリ)は、ネットフリックスシリーズの発表を受けて13件の新規海外翻訳契約を獲得。ネットフリックス仕様のカバーを施したペーパーバック版は、オリジナルのハードカバー比で500%増の売上を記録。Spotify 再生数は990%増、検索数は1300%増となった。
- 「Vladimir」(ジュリア・メイ・ジョナス)は、2025年の年間売上比で130%増を記録。イギリスではアガサ・クリスティの「The Seven Dials Mystery」のミニシリーズ化により、原作本の売上が4倍に増加した。
- 「Bridgerton」シーズン4の公開で、ジュリア・クインの小説シリーズの売上が3倍に達した。
公開前から効果が表れるケースも
ネットフリックスが「Remarkably Bright Creatures」(シェルビー・ヴァン・ペルト作)のティザービジュアルを公開した直後から、同小説の売上がほぼ倍増。知能を持つタコを描いた同作は、現在400万部以上の売上を達成している。
書籍と映像の相乗効果がもたらす新たな市場機会
ネットフリックスのデータが示すように、書籍の映像化は単なるコンテンツ拡充にとどまらず、原作の売上やオーディオブックの再生数を飛躍的に向上させる効果がある。特に2025年以降、書籍原作の映像化が同プラットフォームの成長を支える重要な要素となっている。今後もこのトレンドは加速し、書籍業界と映像業界の双方に新たな市場機会をもたらすとみられている。