FBIが「共通点の有無を調査中」と発表
米国で、核技術やロケット研究に関わる科学者・技術者少なくとも10人が、過去4年で相次いで失踪または死亡した疑いがあることが明らかになった。米連邦捜査局(FBI)は2025年、これらの事案の「共通点の有無を調査中」と発表。米下院監視委員会も関与を表明し、国家安全保障上の脅威の可能性を指摘している。
失踪・死亡した科学者のリスト
- ウィリアム・ニール・マッカスランド:元米空軍研究所司令官。2025年2月にニューメキシコ州アルバカーキの自宅を出た後、行方不明に。FBIが捜索に加わった。
- マイケル・デイビッド・ヒックス:NASAジェット推進研究所(JPL)の科学者。2023年7月に原因不明の死。
- フランク・マイワルド:JPL所属の宇宙研究専門家。2024年に死去。
- モニカ・レザ:JPLの冶金技術者。2025年にロサンゼルスでのハイキング中に失踪。
- ヌノ・ロウレイロ:MITプラズマ科学・核融合センター所長。2024年12月にマサチューセッツ州ブルックラインの自宅で殺害。
- カール・グリルマイヤー:カリフォルニア工科大学の天文学者。2025年2月に自宅近くで射殺。
下院委員会が「国家安全保障上の脅威」を懸念
米下院監視委員会は2025年3月、エネルギー省、国防総省、FBI、NASAに対し、核技術やロケット技術に関わる研究者の失踪・死亡事案に関する情報提供を求めるリリースを発表。委員会は「少なくとも10人が核機密やロケット技術に関連する研究に携わっていた」と指摘し、「一連の不可解な死と失踪に暗黒のつながりがある可能性」を示唆した。
「これは米国の国家安全保障と機密情報にアクセスする人材に対する重大な脅威を示す可能性がある」と委員会は述べた。
遺族「理解できない」 — 陰謀論との関連は?
マイケル・ヒックス氏の娘、ジュリア・ヒックス氏はCNNの取材に対し、「父の死と他の科学者の失踪・死亡の関連が理解できない」と語った。「笑い話のように思える一方で、事態は深刻化している」と述べた。
マッカスランド氏の妻、スーザン・マッカスランド・ウィルカーソン氏はFacebookで「夫はUFOコミュニティとの関わりがあった」と発言。しかし、その関連が事件の原因であるとは考えていないと述べた。
専門家「パターンは注目に値するが、証拠が必要」
「一連の事案は確かに注目に値するが、陰謀論に飛びつく前に客観的な証拠が必要だ」と、科学ジャーナリストのデイビッド・ロバート・グリム氏は指摘する。「米国政府がしばしば陰謀論を煽る政治家を抱える現状では、慎重な検証が不可欠だ」
FBIの公式見解と今後の展開
FBIは現在、これらの事案の「共通点の有無を調査中」と表明。しかし、具体的な情報は公表されていない。今後、下院委員会を中心とした調査が進む見通しで、国家安全保障上のリスクが明らかになる可能性もある。
一方で、遺族らは「科学者の死が単なる偶然なのか、それとも背後に何らかの陰謀が存在するのか」という疑問を抱え続けている。