フランス・シャルル・ド・ゴール空港の気温センサーが、何者かによってドライヤーで改ざんされ、Polymarketの気象賭けが不正操作された疑いが浮上している。英紙テレグラフの報道によると、当局が調査を進めており、被害者は少なくとも3万ドル以上の損失を被った可能性がある。
シャルル・ド・ゴール空港の気温データは、公道に設置された Météo France(フランス気象庁)のセンサーで測定されている。このセンサーは公共の場所にあり、誰でも容易にアクセスできる状態だった。捜査当局は、犯人がバッテリー式のドライヤーを使ってセンサーの温度を実際よりも大幅に上昇させた可能性が高いとみている。
Polymarketの賭けページでは、この気温が特定の閾値を超える確率は1%未満と表示されていた。しかし、実際には気温が急上昇し、その結果を予想したユーザーが大金を獲得した。被疑者は少なくとも3万4000ドル(約480万円)を手にしたとみられている。
フランス気象庁の広報担当者は声明で、「物理的な証拠とセンサーのデータ分析により、Météo-Franceはシャルル・ド・ゴール空港の自動データ処理システムの不正操作に関する告発を、ロワシー空港憲兵隊に対して行った」と述べた。
Polymarketは現時点で、不正行為に関与したユーザーに対して返金を求める動きは見せていない。ただし、気温センサーは現在、新たな場所に移設されており、同サイトでは引き続きパリ周辺の気温賭けを実施している。
気象賭けのリスクと規制の必要性
この事件は、PolymarketやKalshiなどの予測市場が抱えるリスクを浮き彫りにした。同サイトでは、戦争の行方や核兵器の保有、政治家の逮捕など、極めてセンシティブなテーマに関する賭けも行われている。今回のような不正行為が、より危険な手段で行われる可能性も否定できない。
専門家は、実世界の出来事に金銭をかける予測市場の仕組み自体に、根本的な見直しが必要だと指摘する。「金儲けの機会があれば、必ず不正が行われる」という人間の本性が、今回の事件を象徴している。