米バージニア州アーリントン在住の双子の兄弟、ムニーブ・アフター(34歳)とソハイブ・アフター(34歳)は、2023年に連邦政府IT請負業者オペクサスから解雇された。解雇の理由は、過去のサイバー詐欺による有罪判決が判明したためだった。

解雇直後、彼らは報復として米政府の96のデータベースを1時間で削除するという犯行に及んだ。ところが、その最中にMicrosoft Teamsの録音機能を停止するのを忘れ、自らの会話が丸ごと録音されていたことが明らかになった。

「AIが足跡を消す」という甘い考え

双子は、ITスキルを活かして航空マイルの窃盗などの軽犯罪を繰り返していたが、今回の犯行で一気に重罪へとエスカレートした。彼らは自宅で同居していたため、対面で会話していたとみられるが、録音の存在は不可解だった。

政府が入手した録音は、双子がデータベース削除中に交わした会話の逐語録だった。この録音がどのようにして入手されたのか、当初は「政府の秘密の盗聴」「企業のスパイウェア」「FBIの盗聴器」など様々な憶測が飛んだ。

しかし実際には、彼らは職場のノートパソコンでMicrosoft Teamsを使用していたため、録音が自動的にクラウドに保存されていたことが判明した。双子は録音を停止することなく、犯行の様子を詳細に記録していたのだ。

「天才ハッカー」の実像

双子の行動は、まるで「間抜けな泥棒」のようだった。彼らはAIに「足跡を消す方法」を尋ねるなど、自らの犯行を隠蔽できると考えていたが、録音が残っていたことで全てが露呈した。

この事件は、テクノロジーの落とし穴と人間の過信が招いた典型的な失敗例と言える。双子は現在、連邦政府への重大なサイバー攻撃容疑で起訴されている。