2006年に公開された映画「プラダを着た悪魔」は、公開から20年近くにわたり、多くのファンにとって「聖なる」作品として扱われてきた。脚本を手がけたアリーン・ブロッシュ・マッケンナは、TheWrapのインタビューで「その言葉、誰も使ってなかった。『聖なる』って。まさにその通りだと思います」と語った。
そんな同作の続編「プラダを着た悪魔2」が、このたび世界中の劇場で公開される。前作から20年後の物語は、アンディ・サックス(アン・ハサウェイ)の人生とキャリア、そして再び「ランウェイ」誌への復帰を描く。メリル・ストリープ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチをはじめとする主要キャストが再集結し、監督・プロデューサー・脚本家も前作と同じ顔ぶれだ。
なぜ今、続編が実現したのか
前作は、エミリー・ブラントのキャリアを大きく後押しし、アン・ハサウェイの転機ともなり、メリル・ストリープの興行力を改めて証明した。予算3500万ドルに対し、世界興行収入は3億2660万ドルを記録し、公開週末のライバル作「スーパーマン リターンズ」を上回った。マッケンナは「当時のようなヒットは、もはや不可能かもしれない」と振り返る。時代が変わり、人々の映画の楽しみ方が多様化した今、同作は「テレビで流れていても、とりあえず見ておこう」という存在になったという。
時代の変化が物語を動かした
マッケンナは数年前、ジャーナリズム、出版、メディア、ファッション業界が「ダーウィン的な競争の時代」に突入したことに気づいた。そこで「プラダを着た悪魔」の登場人物たちが今どのような状況に置かれているのか、ストーリーとして興味を持ったという。彼女はフランケル監督に提案を始め、その後、ストリープが続編のアイデアを聞く意欲を示した。マッケンナによれば、2024年5月にストリープと面談し、脚本の執筆を同年12月に完了した。
「前作のスタッフと一緒に仕事ができることで、『触れるべきでない作品』という感覚が薄れたんです」
— アリーン・ブロッシュ・マッケンナ
「アベンジャーズ級の穴」を埋める存在に
ディズニーにとって、同作の続編は「アベンジャーズ級の穴」を埋める重要なプロジェクトとなった。同社は2024年、多くのフランチャイズ作品の公開を控えており、新たなヒット作の必要性が高まっていた。そんな中、同作の続編は、過去の成功を再び呼び起こすだけでなく、新たな世代の観客にもアピールする可能性を秘めている。
マッケンナは「前作は、単なるファッション業界のドラマではなく、時代を超えた普遍的なメッセージを持っていた」と語る。続編では、そうしたメッセージがさらに深化し、現代のメディア業界の厳しさや、女性のキャリアとプライベートのバランスといったテーマが描かれるという。
ファンの期待と新たな挑戦
前作のファンにとって、続編の発表は大きな驚きとともに歓迎された。多くの人が「20年ぶりの再会に胸が高鳴る」とコメントする中、新たな観客にとっても、同作は「ファッション業界の裏側を垣間見られる貴重な機会」となるだろう。監督のデヴィッド・フランケルは「前作の成功は偶然ではなく、スタッフの情熱とキャラクターへの愛情があったからこそ」と語り、続編でもその精神を引き継ぐと語った。
「プラダを着た悪魔2」は、単なる続編ではなく、時代を超えたメッセージと、新たな挑戦の象徴となる作品だ。