米国のメディア王テッド・ターナー氏が2026年1月、87歳で死去した。同氏はCNNの創設者として知られ、24時間ニュースサイクルを確立しただけでなく、衛星テレビやケーブルテレビの普及に大きく貢献した。
ターナー氏は1938年に米ジョージア州で生まれ、ラジオ局を買収してUHFチャンネルを立ち上げた。その後、TBS(ターナー・ブロードキャスティング・システム)を設立し、衛星放送を通じて全米に番組を配信した。TBSはスポーツ番組や再放送を中心に展開し、特にアトランタ・ブレーブスを全米的なスポーツブランドに育て上げた。
ターナー氏の最大の功績は、1980年に世界初の24時間ニュース専門チャンネル「CNN」を設立したことだ。当初はニュースだけでは放送時間を埋められないため、経済番組「Moneyline」や政治討論番組「Crossfire」などエンターテインメント性の高い番組も展開。1980年代には「ラリー・キング・ライブ」が登場し、視聴者参加型のニュース番組が注目を集めた。
CNNの初期の報道は、子供の井戸落下事件やチャレンジャー号爆発事故など、奇妙な混在ぶりが特徴だった。しかし、1991年の湾岸戦争「砂漠の嵐作戦」では、夜間撮影カメラを活用して戦争のリアルタイム中継を実現。これにより、戦争のリアリティがテレビゲームのように感じられる時代が到来した。この報道スタイルは、後の米国の軍事行動に対する国民の受容に影響を与えたとされる。
CNNの成功はMSNBCやFOXニュースなどの追随を招き、現代のニュースメディアの基盤を築いた。ターナー氏はまた、映画の保存と普及にも尽力し、古典映画の修復事業を支援。米国のスポーツビジネスや映画産業にも多大な影響を与えた存在として記憶される。