米ワシントン州控訴裁判所は8月19日、双極性障害を持つ弁護士が児童に不適切接触を試みた事件に関する動画を、メディアが過剰に編集・公開したことで名誉毀損に該当するかが争われた訴訟で、事実と異なる主張が含まれていたと認める判決を下した。

同事件は、弁護士のジョン・ランドルフ氏(当時40歳)が2021年8月3日、公園で児童に対し「ボートやパラセーリングに行こう」と誘ったり、警察官に対し「自分はその児童の父親だ」と発言したりするなどの行動に出たもの。ランドルフ氏は双極性障害の躁状態による行動だったと主張し、騒乱罪で有罪となっている。

その後、動画メディア「Explore with Us(EWU)Media」が、警察のボディカメラと防犯カメラの映像を14分間に編集し、YouTubeとFacebookに公開。その際、映像にナレーションを加え、ランドルフ氏が「過去に問題を抱えている」「再発する可能性がある」などと発言していた。また、児童に対する不適切な発言を強調する内容も含まれていた。

ランドルフ氏は、このナレーションが事実無根の名誉毀損に該当すると主張し、EWU Mediaを提訴。控訴裁判所は、ナレーションが「児童への性的虐待歴がある」との印象を与える内容であり、ランドルフ氏の主張を裏付ける証拠がないとした上で、名誉毀損の成否について審理が必要との判断を示した。

動画のナレーション内容

  • 「ジョンは事実上、過去に問題を抱えている」
  • 「匿名の女性が『彼は時限爆弾のような存在』と発言」
  • 「再発の可能性について、いつ起こるか分からない」
  • 「最も病的で歪んだ告白が明らかになるだろう」
  • 「児童を『神の美しい被造物』と呼んだ」

ランドルフ氏は、動画公開後、メディアや一般からの執拗な中傷や脅迫を受け、最終的に法律事務所を閉鎖するに至った。同氏は、動画のナレーションが事実と異なる主張を含んでおり、名誉毀損に該当すると主張している。

出典: Reason