伝統メディアの退潮、スタートアップの台頭
ホワイトハウス記者協会晩餐会(WHCD)の週末は、常にメディア業界の変化を反映してきた。しかし今年は、その変化のスピードがかつてないほど加速していることが浮き彫りになった。ワシントンの既存のメディア権力者に対し、政治的経歴がシンプルな独立系ジャーナリストや新興メディアが挑戦を強めているのだ。
新興メディアが主導するWHCD周辺イベント
今年のWHCDでは、木曜日から日曜日にかけて開催された dozen ものパーティーやイベントの多くが、設立10年未満のスタートアップ系メディアや独立系メディアによって主催された。Punchbowl、Semafor、Axios、Puck、NOTUSなどのメディアがその中心で、ボーイングやアマゾンといった大手企業がスポンサーとして名を連ねた。
また、独立系クリエイターや彼らを支援するプラットフォーム(Oliver Darcy氏のStatus、ニュースレタープラットフォームのbeehiivやSubstack)が主催するイベントも多数開催された。
伝統メディアの縮小と戦略転換
その一方で、従来の大手メディアはWHCD周辺のイベント開催を縮小する動きを見せた。ワシントン・ポストは、昨年に100万ドル規模の豪華ブランチを開催したものの、今年は大幅な赤字を受け、同様のイベントを開催しなかった。代わりに、夕食前のカクテルパーティーを開催するに留まった。
Paramount/CBS Newsも、昨年まで恒例だった夕食後の大規模レセプションを開催せず、代わりに夕食前のレセプションをPoliticoと共同で実施した。
トランプ政権下で変わるWHCDの顔ぶれ
WHCDでは、歴代政権の高官が各メディアのゲストとして出席するのが慣例だった。しかし今年は、トランプ大統領が初めて出席を承諾したことで、共和党関係者の出席が数年ぶりに目立つようになった。
例えばCBS Newsは、国防長官のPete Hegseth氏とホワイトハウス副主席補佐官のStephen Miller氏をゲストとして招待。FBI長官のKash Patel氏はデイリー・メールと同席した。Axiosは、行政管理予算局長のRussell Vought氏を招待した。
特筆すべきは、Paramount(CBS Newsの親会社)とCEOのDavid Ellison氏が木曜日にトランプ大統領を招いた夕食会を開催したことだ。同夕食会には、司法長官代行のTodd Blanche氏も出席した。Paramountは現在、DOJからの承認を得て、1,100億ドル規模のワーナー・ブラザース・ディスカバリー買収を進めている。
分断が鮮明化するメディア業界
今年のWHCD周辺イベントでは、党派色の強いメディアによるイベントが目立った。これは、デジタル時代におけるニュース消費の分断がますます顕著になっていることを反映している。
MAGA系の有力者が金曜夜にジョージタウンの高級クラブ「Executive Branch」で開催したパーティーは、50万ドルの会員費を支払うエリート層をターゲットにした。ネルリーが数百人の観客を前にパフォーマンスを行い、政府高官、ビジネスリーダー、一部の記者やメディア幹部が参加した。
保守系メディアのTownhallがキャピトルヒルのバー「Butterworth's」で開催したイベントは、主に「トランプ大統領のAI暗号政策アジェンダの推進」をテーマに掲げた。
MS Nowが土曜日に開催したWHCD後イベントは、長年続くNBC Newsの同時間帯イベントに直接対抗する形となった。
民主党系のメディアスタートアップ「Crooked Media」(オバマ政権出身者が設立)は、4年連続となるWHCD前夜パーティーを開催した。
エンターテインメント業界も参入:CAUとUTAの存在感
過去数年にわたり、WHCDの最も人気の高いチケットとされてきたのが、金曜夜に開催される2つのプレパーティーだ。それぞれタレントエージェンシー大手のCAAとUTAが主催してきた。
これらのエージェンシーに加え、ライバルのWMEも過去数年でワシントンにおける存在感を高めている。多くのスタートアップが生み出すマルチプラットフォームジャーナリストの機会を追い風に、エンターテインメント業界がメディア業界にますます食い込んでいる。